キム・ナレさんに教わる 体の中からきれいになれる韓国スープ
この春、韓国ごはんにトライしてみませんか?
辛くて味つけのしっかりしたイメージがある韓国料理ですが、野菜をメインにした健康的な料理も豊富にあるんです。
なるべく簡単で作りやすく、体にやさしい味わいのスープを三品、韓国出身の料理研究家キム・ナレさんに教わりました。新しい味わいを作る楽しさやときめきを、ぜひご自宅で体験してください。
下準備
今回のレシピで出てくる「煮干しだし」の作り方
鍋に煮干しを入れて中火にかけ、20秒ほど炒って、水を加える。沸騰したら弱火にしてふたをする。10分煮たら、煮干しを取り出す。
ナレさんポイント
煮干しだしは、韓国でよく使われる定番のだしのひとつ。煮る前にサッと炒っておくことで、くさみが飛んでいい香りに仕上がります。
大根と牛肉のスープ
材料(2人分)
作り方
- 1. 大根は皮をむき、5~7mm幅のいちょう切りにする。牛肉は食べやすい大きさに切る。
- 2. 鍋に油を引き、中火で牛肉を炒める。牛肉の色が変わったら薄口醤油を加えて全体を軽く混ぜる。
- 3. 大根も加えてさっと炒め、煮干しだしを加える。
- 4. 沸いたらアクを取り、弱火にしてふたをし、15分ほど煮る。味見をして、塩で味を調える。
ナレさんポイント
具材を煮る前に炒めるのは、韓国料理の特徴のひとつです。こうすることで、味がしみやすくなります。大根と牛肉のスープは、年中作られるもの。牛肉は脂が少し入ったもののほうが柔らかく、おいしく仕上がります。牛肉を使うと、ごちそう感が出るのは韓国も日本も一緒ですね。このスープとごはんに海苔、キムチでもあれば、もう一食としてじゅうぶん!
きゅうりとわかめの冷汁
次はもっと簡単な、冷たいスープを作りましょう。これから気温が上がってくる時期に、ぜひ試してほしい料理です。
材料(2人分)
作り方
- 1. わかめは水で戻して、水気を絞ってから、食べやすい大きさに切る。
- 2. Aをボウルなどに入れてよく混ぜ、1を加えて軽く和えておく。
- 3. きゅうりは千切りにする。
- 4. うつわに2と3を入れ、水と氷を加えて好みの味に薄める。
ナレさんポイント
わが家では夏の定番。外から帰ってきたら、これをごくごく飲むんです。プロセス2の状態まで作り置きしておけば、食べたい時にすぐに作ることができますよ。いわゆる酢のものを薄めて、スープ的に飲むものです。水でなく、冷やした昆布だしや煮干しだしで割ってもおいしい。韓国でわかめは「体をととのえてくれる食材」のひとつです。
じゃがいもと卵のスープ
さて、最後は体がホッとするスープを作りましょう。朝ごはんにもおすすめの汁ものです。
材料(2人前)
作り方
- 1. じゃがいもは皮をむいて1cm幅の輪切りにする。玉ねぎも1cm幅のくし切りにする。
- 2. 鍋にじゃがいも、煮干しだしを入れて一度沸かし、ふたをして弱火に変えて8分ほど煮る。
- 3. 2に玉ねぎを加えたら中火にして、薄口醤油、にんにく、黒こしょう、塩を加え、溶いた卵を流し入れる。
- 4. 20秒ほどそのままにして、卵が固まったら火を止め、刻んだ青唐辛子を好みで加える。
ナレさんポイント
じゃがいもと卵、煮干しのおいしさで、シンプルですが満足度の高い一品。私はちょっと胃が重たい時など、これだけでごはん代わりにするんです。青唐辛子を入れるのは、辛さのためというよりも汁にちょっと青い香りをつけたいから。ししとうやピーマンで代用してもおいしいですよ。じゃがいもは煮くずれしにくいメークインや新じゃががおすすめ。
ナレさんおすすめの調味料とそのポイント
今回のレシピですが、炒める時など私は基本的にえごま油を使っています。韓国ではおなじみの油で、独特の風味があるもの。ごま油でもいいですが、えごま油を使うとぐっと韓国料理らしさが増します。もし興味があったら使ってみてください。
甘みをつける時は、アガベシロップもおすすめ。血糖値が上がりにくいという良さがあります。
だしに使った煮干しですが、私は使い切れない分は、酸化を防ぐため冷凍庫で保存しています。冷凍の独特のにおいも、使う前に炒れば気になりません。