枡田絵理奈さんと語る、料理の好きなところ&苦手なところ メインビジュアル

枡田絵理奈さんと語る、料理の好きなところ&苦手なところ

アイスム座談会

PEOPLE
2023.04.18

「レシピのレパートリーを増やしたい」「塩少々ってどのくらい?」「自炊する頻度って…?」などなど、おうちごはんについてはさまざまな思いや疑問がありますよね。
アイスム座談会では、毎月食に関するテーマに沿ってお話をしながら、皆さんのおうちごはんへの思いをシェアしていきます。第1回は、アイスムのInstagramや記事に登場していただいたこともある読者クリエイター、通称「アイスムクリエイター」の皆さんにお集まりいただきました。

トークテーマは「料理の好きなところ、苦手なところ」。ざっくばらんにお話した座談会の様子をレポートします!自分自身の好きなところや苦手なことを思い浮かべながら、自分に合うおうちごはんのカタチを見つけるきっかけにしてください。

参加者

枡田絵理奈さん

広島で3人の子育てをするフリーアナウンサー。アイスムで「聴くコラム」を連載中。自称「ズボラの極み」。

ハナコさん

東京で夫と二人暮らし。料理やお菓子作りなど、おうち時間が好き。

miiiさん

息子が独立し、夫と二人暮らし。どちらかと言うと料理は苦手。

渡邊真澄さん

夫と大学生の息子と三人暮らし。料理担当だけど、家族が代わってくれることも。

めぐみさん

東京で一人暮らし。友達を招いておうちパーティーをするのが好き。

笠原なつみさん

香川県在住。「元気がなくても作れるレシピ」をテーマに、料理教室や発信活動をしている。

虫明麻衣

アイスム編集部・エディター。夫と小・中学生の子どもが二人いる。ヤクルトファン。

中辻梓

アイスム編集部・編集長。夫と小・中学生の子どもが二人いる。「食を通じて笑顔になってほしい」という思いからアイスムを運営。

人それぞれ!「おうちごはん」の失敗談

img_zadankai_001-01

枡田さん

日々料理をしていると、ときには失敗しちゃうこともあると思うんです。皆さんの失敗談を聞かせてください。

ハナコさん

うちはよく鍋を作るんですけど、お肉を早く入れすぎてかたくなっちゃったり、葉物を早く入れすぎてクタクタになったり、そんな失敗はよくあります。最初の頃は失敗すると落ちこんでいましたが、最近は「食べられればOK」って感じです。仕事から疲れて帰ってきて、スーパーのお惣菜の誘惑を振り切って料理しただけでもすごいことなので。

img_zadankai_001-02

枡田さん

インスタに載せている手の込んだお料理はお休みの日に作ってらっしゃるんですか?

ハナコさん

そうです。休みの日は手の込んだ料理やお菓子を作りたくなるんですけど、普段は卵かけごはんが好きすぎて。卵かけごはんに行者にんにくの醤油漬けをのせると、何杯でも食べられちゃう。

なつみさん

私は岡山の「黄ニラ醤油」を卵かけごはんにのせて食べるのが大好きです。そういう食べ方をするゲストハウスがあって、夫ともそこで出会いました。

img_zadankai_001-03

一同

えー!

枡田さん

私は、じゃことねぎと韓国海苔を卵かけごはんにトッピングするのが好きです。すっかり卵かけごはんの話になっちゃいましたが(笑)、miiiさんはお料理の失敗談ってありますか?

miiiさん

私はそもそもが大ざっぱで、分量をきっちりはかれないんですよ。どうしても目分量になっちゃう。仕事から帰ってきて急いで料理をすると、なおさら計量ができないので、時間があるときに合わせ調味料を作っておきます。特に子どもが食べ盛りのときは、帰ってきてすぐに「ごはん食べたい!」と言うので、時短重視で作っていましたね。

img_zadankai_001-04

枡田さん

うちの子も、お腹空いて帰ってきたら夜ごはんまで待てないんですよね。「もうすぐごはんだから待って」って言ってる間にパンとか食べちゃって、ごはんができたときにはもうお腹いっぱいだったり。

ハナコさん

私も、子どもはいないんですが、自分がお腹が空いて我慢できなくて、作りながら食べちゃうことがあります。飲みながら食べながらちょこちょこ出して、席に座って食べるのは最後の1品だけ、みたいな。

枡田さん

できたてが一番おいしいから、ある意味すごく贅沢な食べ方ですね。

img_zadankai_001-05

真澄さん

私は小学生の頃から、母が忙しいときは晩ごはんを作っていました。今でも覚えてる失敗は、初めて煮魚を作ったとき。勘で作ったらすごく辛くなっちゃったんです。帰ってきた母親に「作ってみたけど食べられへんくらい辛い」って言ったら、「最初は薄いかなって思うくらいでちょうどいいで」と言われて。煮込む前に調味料を味見して薄いくらいにしておいたら、食べる頃には味が染みてちょうどよくなるんですよね。

一同

へぇ~!

真澄さん

割烹の人に教えてもらったことがあるんです。「味薄いなって思ったら醤油入れて、濃くなったら水足すやろ。そうするとおいしくなくなるねん」って。プロはどうするかと言うと、ちょっとだけ塩を入れるそうです。それを真似するようになってから、失敗が減りました。

枡田さん

塩ってそれまでの工程に出てこないから意外です!めぐみさんはどうですか?失敗談とか苦手なことはありますか?

めぐみさん

私は週末に友達を呼んでごはんを作るのが好きなんですけど、最初の頃はよく失敗しました。張り切って早めに作っておくと、食べる頃にはサラダが水っぽくなったり、じゃがいもが変色してしまったり。だから最近は友達と一緒に作って、ライブ感を楽しんでいます。

img_zadankai_001-06

枡田さん

私も、作ってから食べるまでに時間があると「こんなはずじゃなかった!」って思うことがよくあります。和え物とか、味がバッチリ決まったと思っても、食べる頃には水分が出て薄まっちゃったり。

なつみさん

和え物は10分以上前に和えると水分が出ちゃうから、食べる直前に和えたいですよね。

真澄さん

たとえばほうれん草だったら、茹でてザルにとったら、先にちょっとだけお醤油かけてから絞るんですよ。で、その後で和え物にすると水っぽくならない…と聞いたことがあります。

なつみさん

そうなんですね!私は失敗談というか、作り置きを冷凍しておくのが苦手ですね。冷凍庫の奥にストックしておくと、いつのまにか忘れちゃうんです。忙しいときに作り置きをうまく活用するのが苦手かも。

枡田さん

買い物に行けなかった日はどうしていますか?

なつみさん

お肉もお魚もないときは「焼き鳥屋さんに行こう!」みたいになっちゃう(笑)。

一同

あるある!

img_zadankai_001-07

枡田さん

それはそれで楽しいですよね!

あるある!冷蔵庫の整理問題と、悩ましい冷凍問題

枡田さん

私は冷蔵庫の整理が苦手で、たまにきゅうりの化石とかが出てきちゃうんですけど(笑)、皆さんはどうですか?

miiiさん

うちはタッパーを一新しました。タッパーの中身が見えないとつい忘れてしまうので、ガラス製の中身が見えるものに変えたんです。だいぶ食材の使い忘れがなくなりましたね。

真澄さん

私は買い物に行く回数をなるべく少なくしています。とりあえずあるもので料理して、冷蔵庫を空にしてから買い物に行く。そうしないと、使うのを忘れるので。

枡田さん

うちは主人がアスリートで翌日のパフォーマンスに影響が出てしまうと怖いし、子どももまだ小さいからお腹壊すのが心配で…。

img_zadankai_001-08

虫明

「ここまでは食べられる」っていうラインがわからないですよね。どこまで大丈夫なのか。

枡田さん

そもそもそんな状態になる前に使い切ればいいんですけど、野菜や果物が大量に余ってしまったときの救済レシピってありますか?

真澄さん

野菜の場合はスープにします。

一同

(うなづく)

ハナコさん

フルーツはジャムやスムージーにしますね。あと、バナナが黒くなってきたらバナナケーキにします。皮が真っ黒でも、剥いてみてギリギリいけそうなら使っちゃう。

枡田さん

なるほど!あと、私は解凍してたお肉の存在を忘れちゃうことがよくあるんですけど……。

なつみさん

私もあります。ひき肉で何か作ろうと思って解凍したのに、いざとなったらその気分じゃなくなって、買ってきたお肉を先に使っちゃったり。

ハナコさん

冷凍問題で悩ましいのは、「冷凍したときの自分」と「今の自分」の気持ちが違うことですよね。私も、鶏肉をスパイスに漬けて冷凍したものの、それを食べたいタイミングがぜんぜん来なくて…。

めぐみさん

わかります!

ハナコさん

結局、味がついてない普通の鶏肉を買ってきて料理しちゃったりして、冷凍庫が片付かないんですよね(笑)。

キレイなキッチンを保つコツって…?

枡田さん

皆さん、キッチンがとてもきれいなイメージがあります。日々お料理をしているのにすごいですよね!

img_zadankai_001-09

ハナコさん

「適当に入れてもそれっぽく見える技」があるんです。一時期スパイスカレーを作るのにハマって、たくさんスパイスを買ったんですけど、袋の状態で置くと散らかって見えるんですよ。だけど、瓶に入れて置いとくとなんかオシャレに見える。

miiiさん

私はキッチンの道具が大好きなんです。ザルにしてもハサミにしても、自分が使いたい道具を揃えてるから見ていて楽しい。作家さんの器も好きで、「今日はこのお皿を使いたいからこれを作ろう!」みたいに気分が上がるキッチンにしています。逆に、気分が上がらないものは処分しますね。

枡田さん

たとえばキッチンバサミはいくつ持っていますか?

miiiさん

そんなに持ってなくて、キッチンバサミはお気に入りを二つ。

枡田さん

私、無駄に六つあります。洗うのが面倒くさいから、お肉を切ったら流しに置いて、次のハサミで野菜を切ったり…。そういうことしてるから散らかるんですよね。

img_zadankai_001-10

真澄さん

私も片付けが苦手だからわかります。できればやりたくない。夫が耐えられなくなって自発的に掃除します(笑)。

めぐみさん

うちはステンレスのキッチンなので汚れが目立つんですよね。だから掃除しようって気持ちになります。ステンレスをきれいにするとピカピカで気持ちよくて、それが料理のモチベーションにもなっていますね。

枡田さん

シンクを愛でる、みたいな。

なつみさん

私は料理が仕事なので、キッチンだけはいつもきれいにするよう心がけています。逆に、料理以外の家事はあまりできないんですけど(笑)。

枡田さん

でも、キッチンをきれいに保てているのはすごいです!

なんだかんだ言っても「おうちごはん」が好きな理由

枡田さん

次は「料理のこんなところが好き」とか「料理をしてよかった」という瞬間について教えてください。

ハナコさん

私は意外と、忙しい日に息も絶え絶えで作ったごはんが好きです(笑)。8時半くらいに家に帰ってきて、揚げ豆腐とかをフライパンでジュッと焼いて、お醤油かけて食べる。「私、たくましく生きとるやん」って。

一同

(笑)

img_zadankai_001-11

miiiさん

うちはクリスマスとか年末年始とか、イベントごとにメニューを決めていたんです。クリスマスは毎年、チキンとチーズフォンデュとか。そしたら、息子はけっこう大きくなるまで「クリスマスはチーズフォンデュを食べるもの」と思っていたらしくて…。そういうふうに、思い出と料理が結びついているのはよかったなと思います。

枡田さん

「今年のクリスマスはどうしよう」って毎年悩まなくていいし、それが思い出になるのも素敵ですよね!

真澄さん

料理の好きなところは、とにかく自分の好みで作れるところ。その日の体調や気候によって、食べたい味ってあるじゃないですか。市販のものは味が決まっているけど、自分で作れば自分に合わせられる。

枡田さん

でもやっぱり、自分の体に料理を合わせられるのは上級者です。

真澄さん

食べておいしかったら、それがその日の正解!

img_zadankai_001-12

めぐみさん

私は、食べたいものを作る過程が大好きです。食材を刻む音とか、炒める音とか、集中してるあの時間がすごく幸せだなって。

枡田さん

めぐみさんのインスタを見ると、盛り付けにもこだわっていますよね。

めぐみさん

器が大好きなんです。作家さんの器とか、大好きな器を使って盛り付けるのが楽しい。料理は「今日もがんばったね」って自分を労ってあげる時間です。

なつみさん

私は乳製品アレルギーで、夫は小麦アレルギーなんです。だから外食で食べられないものがいろいろあって…。家で作ると、二人が安心して食べられるのですごく嬉しいです。「小麦粉の代わりに米粉を使ったらどうなるかな」とか、ゲーム感覚で楽しんでいます。

枡田さん

失敗することもありますか?

なつみさん

全然あります。カキフライを米パン粉で作ってみたんですけど、普通のパン粉よりも油を吸うから胃もたれしちゃって…。そういうことはよくあります。

虫明

私は面倒な気持ちを奮い立たせてキッチンに立って、簡単な料理を作ったとき、「あー、今日もがんばったわ」と思うんです。料理って、わかりやすく自己肯定感が上がるかも。

img_zadankai_001-13

中辻

私は、すべての料理を同じタイミングで食卓に出せたときの達成感が好きです!でも、そのタイミングで家族が食べてくれるとは限らなくて…。できあがる前から「もうそろそろできるからね!」って声をかけてるんですけど、なかなか揃ってくれないことが多いですね…。

枡田さん

うちもあります!呼んでも来ないのに、食べるときに「かたい」とか言われると、「できたては柔らかかったの!」って怒っちゃう。

img_zadankai_001-14

真澄さん

うちは「あんたがすぐ来なかったからやで」って言います。そうすると次回から気をつけてくれるので。

miiiさん

うちも中辻さんと同じで、かなり前から声をかけはじめます。全然できてないのに 「もうできるよ~!」って(笑)。

中辻

うちは、自分のごはんは自分でよそうようにしてるんです。私がよそうと「多い」とか「少ない」とか言うので。「早く来ないとよそっちゃうよ!」って言うと慌てて来ることもありますね。

枡田さん

自分でごはんをよそうと、「自分が食べられると思ってよそった量だ」と思うからか、子どもも残さず食べますよね。

アイスムが始まって3年、ようやくリアルで会えた

枡田さん

皆さん、今日の座談会はいかがでしたか?

ハナコさん

料理について人と話す機会があまりないから新鮮でした。友達と気楽にそういう話をしたいんですけど、「ハナコはていねいな暮らししてるもんね」って壁を作られてしまったりとか…。だから、こういうテーマで話せる機会がたくさんできたら楽しいなと思いました。

img_zadankai_001-15

miiiさん

最近、息子が独立して夫と二人になってからの食事の在り方について考えているところなんです。なので今日は皆さんのお話を伺って、人と一緒にごはんを作ったり、作りながら食べるのもアリだなと思いました。

真澄さん

アイスムさんに料理教室をやってほしいです。アイスムにはいろんな料理家さんが登場しているので、そういう方に教えてもらいながら料理を作って、食べながらこういう話をもっとしたいですね。そのときはぜひ参加したいです。

めぐみさん

いろんな方の料理への思いを聞けて、とても楽しかったです。私は一人暮らしですが、年齢を重ねるに連れて環境も変わってくると思うので、今の食生活を大切にしようと思いました。

img_zadankai_001-16

なつみさん

インスタやnoteで拝見していた方と実際にお会いできて、「あ、こういう方なんだな」と思えて、リアルっていいなと思いました。アイスム編集部の皆さんの雰囲気も体感できたし、香川から来てよかったです。

虫明

私はずっと読者の方と繋がりたいなと思っていたんですが、ご時世的にリアルでお会いすることがなかなかできなくて…。今回、こうして会っていろいろなお話ができて、すごく勉強になりました。

中辻

アイスムが今の形になって3年が経ったんですけど、ようやくこういうイベントを開催できるようになったので、今後も定期的にやっていきたいなと思います。ここにいる皆さんはもちろん、ほかのアイスム読者さんのお話ももっとたくさん聞きたいですね。

img_zadankai_001-17

終始和やかな雰囲気で「おうちごはん」への思いを語り合った第1回アイスム座談会。アイスムクリエイターの皆さんのリアルな声を聞けて、編集部もたくさん学ばせていただきました。

アイスムでは、今後もアイスム座談会や料理教室など、読者の皆さまに楽しんでいただけるさまざまなイベントを開催していく予定です。今後の開催や参加方法についてはアイスムの公式 LINEアカウントでもお知らせいたしますので、興味がある方はぜひ友だち登録してください。今後も、一緒に「おうちごはん」を楽しんでいきましょう。

この記事をシェアする
文:吉玉サキ
撮影:猪原悠
アイスム座談会