カリフラワーのオイル蒸し/カリフラワーとベーコンのくたくた煮/カリフラワーのリゾット

五感をひらくレシピ #11

2021.01.30

旬の食材を使った「五感をひらくレシピ」を、自炊料理家の山口祐加さんに教えてもらいます。第11回のテーマは、「カリフラワー」。素材そのものを味わおうとシンプルに調理し、想像以上のおいしさで返ってきた時が、料理をしていて一番好きな瞬間だという山口さん。カリフラワーは特にそれを実感させてくれる野菜だそう。カリフラワーの本当のおいしさを知る三種のレシピ、ぜひお試しください!


冬本番がやってくると同時に、また長いおうち時間が始まった。そろそろエネルギーが切れそう……なんて人も多いのではないだろうか。
そんなとき、必要なのは「最小限の手間で、最大限のおいしさをもたらしてくれる料理」と「自分を癒やすごちそう料理」だと思う。そんな二つの願いを叶えてくれる、懐の深い野菜がある。カリフラワーだ。

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カリフラワーは形状、サイズ感ともにブロッコリーに似ている。ブロッコリーの方がカリフラワーに比べて手頃な価格で手に入るので、その二択であればブロッコリーを選ぶ人も多いのではないだろうか。今までカリフラワーを買ったことがないという人も少なくないだろう。また、買ったけれどブロッコリーのように茹でてみると、もそもそした食感が苦手でそれ以降買っていない…という人もいるはずだ。

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カリフラワーのおいしさは、焼くか、くたくたになるまで火を入れるほうが伝わりやすいと思っている。
焼いた時の濃厚な「旨み」と、甘みと香りが強い「だし」。それがつまった茹で汁を捨ててしまうのは、せっかく引いた上質なだしを捨てているも同然で、あまりにもったいない。

せっかくちょっと勇気を出して買ったものは、おいしいと思ってもらいたいし、今まで見たことがなかった顔に驚いて欲しい。

そこで今回は、私が何度もリピートしているカリフラワー料理を3つご紹介する。

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もこもこの表面がかわいらしい。

選ぶときは、できるだけ表面に黒ずみがなく、花蕾のみっちり詰まっているものを選びたい。買ってからしばらくして表面にホクロのような黒ずみが出てきてしまっても、そこだけ包丁で削ぎ落とせば問題なく食べられる。

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カリフラワーは切るときにちょっとコツが必要になる。ブロッコリーのような茎の部分がなく、周りの葉に包まれているので、葉とカリフラワー本体の間をかきわけ、包丁の先を少しずつ動かして切り離す。

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あとはブロッコリー同様、房に切り分けていく。カリフラワーはブロッコリーのように花蕾がボロボロと崩れ落ちることがないので、ここではそこまで神経質にならず、ザクザクと切って良い。
ちなみにブロッコリーよりカリフラワーの方が値段が高い理由は、生育に時間がかかるのと、白く仕上げるためのメンテナンスに手間がかかるためだとか。

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カリフラワーは白色が基本だが、最近はオレンジ色や紫色のものも出回っている。ちなみにカリフラワーに限らず紫の色素・アントシアニンは水溶性なので茹でて調理すると色が薄くなる。

カリフラワーのオイル蒸し

カリフラワーのイメージを覆す最初の一品は「オイル蒸し」。

菜の花の回でもご紹介した調理法で、野菜を適当に切ってフライパンに入れ、オリーブオイルをたっぷりかけて蒸し煮にするイタリアの調理法だ。前回は厚手の鍋に入れて作るやり方を紹介したが、厚手の鍋を持っていないからできない……と言われることも多く、フライパンでやってみたらなんの遜色もなくできたので、今回はフライパンバージョンをご紹介する。

カリフラワー1/2個を房に分け、フライパンに入れる。水大さじ1を加え、蓋をして3分中火で加熱する。オリーブオイルを大さじ1と1/2を加え、弱火にし、その2分おきに開けて混ぜ、お好みの柔らかさになったところで火を止める。

合計で10〜12分ほど加熱すると、中までしっかりと火が通る。最後に塩ひとつまみを加えて和え、完成。

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フライパンを開けた時の、キャラメルのように甘くて香ばしい香りをぜひかいでみてほしい。茹でたカリフラワーからは想像がつかないほど、一口に旨みと香りが凝縮されている。完熟フルーツのような濃厚な味だ。しっとりとしていて柔らかく、もそもそ感は全く感じられない。
見た目は肉の付け合わせのようかもしれないが、テーブルに出したらメインのお肉と張り合うくらい人気者になる。
あっけないほど簡単に、心おどる料理ができてしまう。素材の力はやっぱりすごい。

カリフラワーとベーコンのくたくた煮

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カリフラワーの香り高い「だし」を存分に味わうなら、ベーコンと一緒にくたくたになるまで煮込むのがいい。
カリフラワー1/2個とハーフベーコン4枚ほどを1cm角に切って鍋に入れ、ひたひたになるまでの水、塩ひとつまみを加え、蓋をして弱火で15分煮るだけ。一行で書き終わってしまう、シンプルなレシピだ。
仕上げにオリーブオイルを垂らせばコクがプラスされてさらにおいしくなる。小さいことだけれど、きれいに垂らすとひょいと気分が上がる。

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カリフラワーのだしの濃厚さに目を丸くする。こっくりした甘さとだしの香りをめいっぱい吸い込んで欲しい。カリフラワーが苦手なお子さんでも、これなら喜んで食べてもらえるのではないだろうか。

カリフラワーのリゾット

このくたくた煮、いっぺんに食べてしまわないで、なんちゃってリゾットにするのをぜひおすすめしたい。これにはパルミジャーノ・レッジャーノがよく合う。今日だけは贅沢をして、スーパーのチーズコーナーでパルミジャーノ・レッジャーノをカゴに入れ、ニヤニヤしながらうちに帰ろう。

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リゾットの作り方もいたってシンプル。出来上がったくたくた煮の半分くらいを残しておいて、炊いたご飯を茶碗一杯分入れて5分間弱火で煮詰める。少し水分が足りなさそうであれば水を補いながら、鍋底に道ができたら完成。仕上げにパルミジャーノを削り(大根おろし器を使ってもOK)、胡椒を一振り。

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見た目からしてうっとりしてしまう。鍋の締めに作る雑炊のような、旨みを吸ったお米たちは、たまらなくおいしくて、心の奥までうれしさが染み渡る。途中でレモンを絞ると味が引き締まって飽きずに食べられるのでお試しを。

素材そのものの味を楽しもうと、シンプルに調理し、想像以上のおいしさで返ってきた時が、料理をしていて一番好きな瞬間だ。素材が私たちにおいしいものを全力で食べさせようとしている、と感動する。カリフラワーは特にそれを実感させてくれる野菜だと思う。ぜひ、買って料理してみてほしい。

山口祐加

自炊料理家、食のライター。共働きで多忙な母に代わって、7歳の頃から料理に親しむ。出版社、食のPR会社を経て2018年4月よりフリーランスに。日常の食を楽しく、心地よくするために普段は一汁一菜を作り、ハレの日は小さくて強い店を開拓する。料理初心者に向けた対面レッスン「自炊レッスン」や、セミナー、出張社食、執筆業、動画配信などを通し、自炊する人を増やすために幅広く活躍中。好物は味噌汁。

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