甘辛味で止まらない。大人のおつまみにも最高な「パリパリピーマンの肉味噌のせ」

枡田絵理奈の「聴くコラム」 #44

FAMILY
2024.02.08

img_masudacolumn_title2.jpg

元TBSアナウンサーで、現在は広島在住のフリーアナウンサー枡田絵理奈さんによる「聴くコラム」。毎回「食」や「暮らし」にまつわる様々なお話をしながら、枡田さんおすすめの「おうちごはん」を一品紹介してもらいます。

今回のテーマは、「子どもと作る料理」について。子どもたちとの料理の思い出や、一緒に料理するときに工夫していることをお話します。またコラムの最後では、おうちで簡単に作ることができる「パリパリピーマンの肉味噌のせ」の作り方も。簡単でおいしい!レシピとともに、コラムをお楽しみください。


音声を再生してお楽しみください。
SpotifyVoicyでもお聴きいただけます!


子どもとの時間をじっくり味わいたい

みなさん、今年の目標は決めましたか?私は毎年、新年に目標を立てるんですけど、今年はこれをしたいという目標があまり明確に見つかってなくて。ただ、漠然と、すっきり暮らしたいなと考えています。

おうちの中も自分の頭の中もすっきりとさせたい。やるべきことを明確にして、なるべく最小限の力で家事などをして、その空いた時間でもっと子どもたちと向き合いたいなと思っています。

もうすぐ小学校3年生になる息子が、ママと遊んでくれるのはもうあと1年、2年ぐらいかなと思っていて、「タイムリミット」が近づいてきているような気がしているんですよね。なので、「ママこれ見て」とか、「ママこれ一緒にやろう」って言ってくれる、残りわずかなこの時間、なるべく全力で息子に向き合いたいと感じています。

みなさんの目標やこんなことをする予定です!などがありましたら、ぜひ教えてくださいね。

幼い頃の母との料理の思い出

みなさんは、ご自身が子どもの頃の料理の思い出ってありますか?実は私は、子どもの頃は料理をまったくしなくて、母と一緒にキッチンに立って料理をしたという経験がほとんどないんです。

母は自宅でピアノの先生をしていたのですが、ピアノを教えているリビングの横にキッチンがあったんですね。母はいつもレッスンとレッスンの合間に少しずつ料理を仕上げていたので、レッスンの終了と同時に夕飯ができあがるという感じでした。仕事も忙しいし、自分一人でやった方が手際もいいし、スムーズに進むからそうしていたのだと思います。だから、私は家庭科の授業以外では料理をしたことはありませんでした。

このコラムの最初の回に、「私と料理」というテーマで『チューボーですよ!』という番組の担当になって初めて料理と向き合ったというお話をしました。でもこの番組では、ホウボウの煮付けとか、ラー油を一から自分で作るとか、日常の暮らしではあまり作らない料理を習っていたので、家庭料理を作るのはすごく苦手で。結婚してからも料理では大変な思いをしてきました。

そんな経験から、子どもたちには料理をストレスなくサッと作れる人間になってほしいな、料理が楽しいと感じてほしいなと思っています。小さい頃から「料理は楽しいものだ」という印象を持って、料理に親しんでほしいので、子どもたちにはなるべく料理に関わってもらっています。将来一人暮らしする時にも、自分で自分のごはんを作ることができれば健康にもいいですよね。食育マイスターの資格も取ったので、子どもたちにどうやって料理と向き合ってもらうかをいつも考えながら過ごしています。

堂林家では2歳から料理を始めています

わが家の子どもたちは物心がついた時から料理をしています。やりたいと言われたら、「失敗しそうだな」とか「汚れそう…」と思っても、とりあえずやらせてみる、というのが私のポリシーです。なので、息子は2歳になる前から卵を割っていましたし、2歳からは包丁を握っていました。

最初は卵を割っても殻がいっぱい入っちゃうんですけど、よく考えたら、溶いた後にボウルでこせば使えるわけだし、ちょっと手間は増えますが「いいよいいよ。やってごらん!」「できたねー!」と繰り返していくことによって、子どもは料理がすごく楽しいものだと感じてくれるようになったみたいです。

子どもと料理をする時に気をつけていることはいくつかあるんですけども、一番大事にしているのは、子どもの足台です。折りたたみの足台なども以前は使っていたんですが、バランスが崩れた瞬間に折りたたみの部分がパタンとたたまれて転んでしまったことがあって、不安定なものを使うと危ないなと感じました。なので、場所は取るけども折りたたみではない、安定したタイプの足台を買って使っています。

それから、フライパンやお鍋の柄の部分の向きにも気をつけています。料理中に引っかかって、火傷をしてしまう可能性があるので、必ず壁側の奥の方に向けるようにしています。

あとは、子どもたちがキッチンに入る前に、足元に引っかかるものはないか、油などですべるところがないかなどを確認したり、子どもの目の高さに一度自分の目線を落としてみて、その視界で危ないことはないかを確認しながら料理の環境を整えるようにしています。

ただ、わが家では、絶対に怪我をしないようにというよりは、ちょっとした失敗であればそこから学ぶこともあると考えているので、大きな怪我にならない程度であれば、多少は痛い思いをして学んでいけばいいかな、という感じで見守りつつ、お料理をさせています。

簡単にできる料理から、興味を持ったら次のステップへ

子どもたちは、最初はミニトマトを洗ったり、ヘタを取ったり、ということからスタートして、「包丁を持ってみたい」って言ったら、「じゃあ、きゅうりを切ってみる?」と切らせてあげたり、あとは板ずりも楽しかったりするので、「こうやってきゅうりのトゲを板でするんだよ」とか、そういう料理の基本なども徐々に教えています。

子どもってちょっと難しいことをやりたがるので、なるべくチャレンジさせています。泡立て器で混ぜるとか、餃子を包むとか、ミートボールをこねて丸めてみるとか、そういったことをすごく楽しくやってくれています。

あと、子どもの時に母が唯一、私に教えてくれた料理がありました。きゅうりを薄切りして、そこにお醤油とごまとかつお節を和えるだけの料理なんですけども、これを「えりちゃんが得意な料理だから、えりなのきゅうりで『えりきゅう』ね」と言って、私の名前がついたメニューを作ってくれたんです。

「えりきゅう作って!」って言われると、私もOK!という感じで喜んで作っていて、自分の料理があることが自信になっていました。これはすごくいいアイディアだなと思うので、今は同じメニューにわが子の名前をつけて、それぞれ作らせてあげたりしています。自分の名前のついたメニュー、子どもたちはすごく誇らしげに作ってくれますよ。

長男の得意料理は、「にーにが作ったおかかのふりかけ」。わが家ではすごく人気で、おかか、だし醤油、ごまを混ぜるだけなんですが、すごくおいしいんです。

長男が、それでおにぎりを作ってくれたり、ごはんの上にかけてくれたりするんですけど、私が風邪をひいて寝込んだりすると、「にーにのおかか作って食べさせとくわ」と言って、一人でキッチンに立って、妹たちにごはんを食べさせてくれたりするので、すごく助かっています。

子どもたちだけで作る料理の日

堂林家では、子どもたちだけで料理をするということもよくさせています。本当に簡単な定番メニューのカレーなどですが、ホットプレートの深いお鍋があるので、そのお鍋を使って料理をしてもらっています。

野菜もお肉も自分たちで切って、炒めて、そこにカレールーとかお味噌を入れて煮込んで…と、本当に1から10まで全部自分たちでやってもらって、できあがったら、それをよそってみんなに出してもらうところまでしています。

お友達が来た時にも一緒にやってもらったりするんですけど、自分たちだけの力で料理をする機会ってなかなかないみたいで、ものすごく達成感を感じてくれているようです。おうちに帰ると目を輝かせながら「今日、堂林家で料理作ったんだよー」ってうれしそうに報告してくれるそうです。簡単なものでいいので、一部を手伝うんじゃなくて、自分たちだけの力で全部を完成させるという経験はとてもいいなと感じています。

最近、息子は下の娘たちの幼稚園のお弁当をすべて一人で作ることにハマっています。ポークビッツを炒めるとか、ミニトマトと冷凍の枝豆を出して入れるとか、あとは冷凍のコーンをバター醤油で炒めるとか、メインはそんな感じなんですが、卵焼きをきれいに巻けるようになったので、それがうれしくて仕方ないようです。卵焼きを自分で丸めて最終的にごはんの上に自分のおかかをのっけて完成という、「にーにのお弁当」を作っています。

「今日のお弁当はにーにが作ったから!」と言うと、「にーに大好きありがとう!」と娘たちもすごく喜びます。こうやって自分が作る楽しさはもちろん、誰かのために作って喜んでもらえる経験って、なんかいいなと思っています。

娘たちがお弁当箱を空にしてきた時の長男のうれしそうな顔は、本当にちっちゃなお母さんみたいで、こうやってずっと料理が好きでいてくれたらいいなと感じています。

子どもたちができそうなことっていうのは意外とたくさんあると思うし、親が思ってる以上に、子どもって実はいろんなことが器用にできるので、みなさんも色んなことにチャレンジさせてみるといいんじゃないかな、と思います。

ちなみに、アイスムにコウケンテツさんの「つくってみよう!休日かぞくごはん」という、子どもが自分で作れるレシピがあるんですが、わが家ではそれを全部印刷して、子どもたちと「今日どれ作る?」って、買い出しから一緒に楽しんだりしています。

同じアイスム内ですので、ぜひこちらもチェックしてみていただけたらと思います。みなさんの子ども時代の料理の思い出、そしてお子さんとの料理の思い出、工夫していることなどがあれば、ぜひ教えてください。

ピーマンが苦手でも、きっと食べられる「パリパリピーマンの肉味噌のせ」

聴くコラムで毎回ご紹介している、わが家のおうちごはん。今回ご紹介するのは「パリパリピーマンの肉味噌のせ」です。

みなさんのお子さんはピーマンお好きですか?大人でも苦手な人もいますよね。何かの番組で、氷水にピーマンを長時間つけると苦味がなくなって、パリパリとおいしくなると知って、実際に試してみたら本当にピーマン独特の苦味が消えて、ものすごくおいしい食べ物に生まれ変わったんです。これには感動しました!

この苦くないピーマンに肉味噌をつけて食べるのが、わが家の子どもたちは大好きで、これだといくらでもピーマンを食べてくれるんです。肉味噌もなるべく簡単に作ることができるレシピにしたのでご紹介しますね。


材料

  • ピーマン
  • 豚ひき肉
  • 味噌
  • すき焼きのたれ
  • 砂糖(または はちみつ オリゴ糖など)
  • ごま油
  • にんにく
  • しょうが
  • すりごま

作り方

1. ピーマンを縦半分に切って種を取り除き、氷水に30分以上しっかりつける。
img_masudacolumn_044-01
2. ひき肉とにんにくをごま油で炒める。
img_masudacolumn_044-02
3. 2の色が変わったら、調味料をすべて混ぜて加えて炒める。
img_masudacolumn_044-03
4. 3の肉味噌にすりごまを加え、ピーマンにのせて食べる。
img_masudacolumn_044-04

肉味噌を作る時は、すき焼きのたれと砂糖の量は味噌の半分の量を目安にしています。大体でいいのですが、味噌が一番多いバランスにしてもらえたら大丈夫かなと思います。わが家は、子どもたちが甘めの肉味噌が好きなので、今回はちょっと甘めのレシピでご紹介しています。味噌と砂糖の分量をお好みで調整してみてくださいね。

それから炒めるときのポイントは、そぼろみたいにパラパラにしすぎないこと、なるべく塊が残るくらいで炒めてください。あとはこの肉味噌にピーマンをのせたらとってもおいしくいただけます!

肉味噌が余った時は、小鉢の下に肉味噌をひいて、ゆで卵を半分に切ったものをのせて、その上に糸唐辛子などをのせると、おいしい副菜になります。ぜひお試しください。

さいごに

枡田絵理奈の聴くコラム、今回は「子どもと作る料理」についてお話ししました。みなさん、お楽しみいただけましたでしょうか?

子どもとの話は、まだいろいろと話したいことがありますし、おすすめレシピなどもあるので、機会があったらまた話させていただければと思います。

ここでいただいたコメントをご紹介します。

いつも貴重なお話ありがとうございます。マスパンのノロケを聞けるのが本当にうれしくて、幸せそうで涙が出てしまうほど。同じ女性として申し分ない人柄で、堂林くんの奥様になってくれて、心の底からよかったと思っています。

上から目線のようで申し訳ありませんが、堂林くんの高校時代からのファンなのでお許しを。喧嘩はなくとも、きっと我慢することもあるでしょうけど、どうかどうかご家族が末永くお幸せでありますよう、お祈りしております。ぜひまた、おノロケ聞かせてください。ちなみにマスパンレシピは、すべて実践しております。

これは本当にうれしい!ありがとうございます。「マスパンのノロケは胃もたれがする」なんて言われたりするのに(笑)、涙を流してくださる方がいるなんて私もうれしくなりました。

このように感想をいただけますと、とても励みになりますので、みなさんもぜひ気軽に送ってみてくださるとうれしいです。感想やリクエストはアイスムのページにある「感想リクエストを送る」からお送りいただけます。もちろんVoicyのコメント欄でもOKです。

みなさんのお話やテーマのリクエストなどもお待ちしております。それでは、また次回お会いしましょう、枡田絵理奈でした!

この記事をシェアする

文・音声編集:佐々木沙枝
カバー写真:前康輔