
茹でるだけで簡単豪華!夏のパーティーにもおすすめの「ポッサム」ーー庄司浩平さんのおうちごはん
ポッサム
材料(作りやすい量)
作り方
- 1. 鍋に豚バラ、しょうが、にんにく、長ねぎを入れ、全体が浸かるくらいの水を入れて火にかける。沸騰したら火を弱めて30分茹でる。
- 2. きゅうりは細切りにする。みょうがは縦半分に切ってから薄切りにする。
- 3. 1を薄切りにして、器にサンチュ、大葉、2と一緒に盛り付ける。サンチュに具材とキムチ、お好みのたれをのせて包んで食べる。
放置でカンタン 夏にぴったりの「ポッサム」
ーーお料理をしながらのインタビュー、よろしくお願いします。今日作る「ポッサム」は、庄司さんの定番メニューなんですか?
頻繁に作るわけではないんですが、炭水化物を控えたい時にこれをメインに食べますね。豚バラブロックを茹でるだけだから、本当に手軽なメニューです。調味料を混ぜて、具材を鍋に入れるだけなので、今日も実質5分くらいでやることなくなっちゃいますよ(笑)。
ーー読者の方に説明すると、まさに庄司さんが流れるように具材を切り終えて、鍋で豚バラを茹でようか、というところでインタビューしています。手つきも慣れていますね。
今回ご紹介するレシピを考えた時に「夏だし、コンロの前に立つ時間を短くできないかな?」と思って、ポッサムをご提案したんです。
ーー読者さんからの需要もしっかり汲んでくださり、ありがとうございます。
ポッサムなら、お子さんとも一緒に作れるんじゃないかな?と。揚げ物じゃないから危なくないし、具材を切るのもキッチンばさみがあればそれを使えばいいし。つけだれも、調味料を混ぜるだけですから。
食の知識をもっと楽しむためにチャレンジした食育アドバイザー資格取得
ーー庄司さんは普段からキッチンに立つことが多いですか?
「ごはんが食べたいな」と思った瞬間キッチンに立つので、仕事の量にもよるけど、普段から昼夜どちらかは自炊しています。
ーーおうちごはんが習慣化しているんですね。
炭水化物や脂質は外食やお弁当で簡単にとれるので、自宅ではサラダを作ります。といっても、ちぎったらすぐ食べられるような葉物野菜にトマトを添えるくらい。自宅での料理は基本的にシンプルで、一日の栄養バランスを意識して食べています。
ーー食育アドバイザーの資格もお持ちなのだとか。
20歳くらいの時に、食育アドバイザーの資格が通信講座で取得できると知って勉強したんです。ビタミンの種類とか、抗酸化作用のある栄養素やシミ予防に効く栄養素とか、体力がつく食材とか、しっかり学ぶことができました。でも、勉強というより趣味感覚でした。
ーーということは、食の知識を楽しむことができたんですね。
はい。僕は何よりもおいしいものをおいしい時期に食べたいんです。旬を食べるのが、一番。その大切さが学べてよかったですね。レシピや栄養だけでなく、日本の食文化についても理解が深まりました。食を深く知ることで、素敵な大人になれたような気がします。
読書体験から始まった食への探究心
ーー学生時代には、食費を1日500円に収めるという生活もされていたそうですね。栄養も節約も身についている庄司さんですが、そもそも料理にのめりこんだきっかけは?
読書ですね。まだ文字があまり読めない子どもの頃から、よく本の挿絵を眺めていたんです。料理系の本を図書館で借りるのが好きでした。
ある日、借りた本の中に「春キャベツとアンチョビのパスタ」が出てきたんです。最後にレシピが書いてあったので、母に「作りたい!」とねだって、そこから料理を意識するようになりました。
それまでは母のごはんをありがたく食べる側だったんですが、だんだんと料理をするようになって。今では母から「揚げ物は浩平がやって」と言われるくらいの腕前です。
ーー一人暮らしを始めた頃からまたさらに料理の機会が増えたのでは。
そうですね。奮発して買ったオーブンレンジでパンを作ったり、他にも凝ったものを調理したり。でも、だんだんと「特別な料理は材料費がかかるし、普段の料理も工夫してみよう」と考えるようになったんです。
無理せず、楽しく続けられる自炊のコツ
ーー普段の買い物や献立はどう工夫していますか?
基本的にはまず、冷蔵庫の余り物を把握します。そこから、自分が何を食べたいかを考えるんです。本当に、心の底からハンバーグが食べたかったら買い出しに行くし、そうでもなければ家にある食材でなんとかします。
ずーっと仕事が続いて冷蔵庫がすっからかんの時は、「行くぞ!」と決意してスーパーに向かいます。旬の野菜を眺めたり、調味料も「今はこういうのが出てるんだな」とか考えたりしながらぐるっと回るんです。
ーー庄司さんの推しスーパーは?
欲しい食材や価格に合わせて変えています。ポップを見るのが好きなんです。スーパーそのものが大好きで、仕事で地方や海外に行く時にも、その土地のローカルスーパーをチェックしますね。
都内でも、比較的店舗数が少ないチェーン店に遭遇すると気分が上がるんですよ。めずらしいスーパーを見つけると、はしゃいで入っちゃいます(笑)。
ーースーパーが大好きなんですね。店舗でチェックするポイントや、一人暮らしならではのまとめ買いルールがあれば教えてください。
僕は毎日、副菜を1品は作りたいんです。「どうしたら食材を副菜にあてられるか?」を考えて、普段から食材を購入したり、保存したりしています。
ーー副菜なども含めて、「献立」を考えるのって難しい部分もあると思うんです。庄司さんは、どんなことを意識していますか?
できるだけ旬の野菜を食べたいので、例えば夏なら揚げ浸しが定番。アスパラとかピーマン、ズッキーニ、なすを買ってきて、難しく考えずにとりあえず先に作っちゃう。そのまま食べてもおいしいですし、うどんにのっけてもいいですし。
ーー作り置きもされますか?
作り置きなら、ほうれん草の白和えや、きんぴらをよく作ります。僕は一度にいっぱい作っちゃうクセがあるんです。前日作った肉野菜炒めが2人前できちゃったら、少し残った分は、次の日の小鉢にします。
ーーいつもこれだけはストックしている、という食材は何ですか?
ストックしているのは、お揚げ。湯通ししたものを3枚くらい冷蔵庫にキープしています。お味噌汁に入れてもいいし、炒め物に入れてもアクセントになるし。でも、ほかは意識的にはストックしていないかな。その時、食べたいものを買いに行きます。
ーー節約や節制をしつつ、しっかり食べたい時のメニューは?
そうですね…今日作ったポッサムを、鶏むね肉で作るとか。豚バラ肉ってどうしても脂身が多いのが気になるとか、かたまりで買うと高いとか、それぞれ思うこともあると思うんですよ。食材が少し変わっても、同じ味付けにすれば「食べたい欲」は満たせます。
ーー鶏ささみで作ってみても、つけだれの味で「ポッサムだ」と思えるかもしれませんね。
そうなんです。おいしい抜け道って、たくさんあるんです。SNSにもたくさんヒントがありますし、とりあえず食材を買って、自由にアレンジしてみてもいいですよね。
夏らしい味わいのつけだれも楽しんで
ーーそうこうしているうちに、ポッサムのお肉が茹で上がりました。
早速いただきます!
ーー今回はつけだれが2パターン。どちらからいきますか?
まずは基本の味噌だれでキムチと一緒に食べちゃいます。
ーー庄司さん、豪快にいきますね。
ん、おいしい!ポッサムを食べる時は我慢したくないので、脂の部分も削ぎ落とさずおいしくいただきます。でも、その分炭水化物は控えめにして、サンチュをたくさん食べて野菜をとるようにしてるんですよ。満足度が高いのでおすすめです。
ーー塩ねぎだれのほうはどうでしょう?
レモン汁を入れることで夏らしさが出ますし、さっぱりと楽しめます。レモン汁はなくてもいいけど、やっぱり後味が爽やかになりますね。
ーー茹でて切るだけで、豪華な一品ができましたね。
ポッサムは手軽なのに、ちょっと豪華なイベント感もあって、夏休みにぴったりだと思うんです。ぜひ作ってみてください。