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藤野貴子さんに教わる、冬のお手軽ごほうびスイーツ

特別企画

FOOD
2025.12.18

今年も押しせまってきました。1年がんばった自分に、ごほうびスイーツを作ってみませんか。なるべく簡単に作れるレシピを三つ、菓子研究家の藤野貴子さんに教えてもらいました。クリスマスのデザートにも向くレシピです。

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教えてくれた人:藤野貴子さん

菓子研究家、料理研究家。小学生の頃からお菓子作りをはじめ、2014年に渡仏。レストランでパティシエールとして働き、週末には地方をめぐってフランス伝統菓子も学ぶ。帰国後は菓子研究家としてレシピ開発のほか、お菓子教室も定期的に開催。近著に「DELI&SWEETSができるフランス仕込みの2つの生地 ケーキとフラン」(Gakken)がある。

みかんの湯せんコンポート

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季節のフルーツを使って旬のデザートを作りましょう。「コンポート」とは一般的にフルーツの砂糖煮のこと。ワインなどで煮ることも多いのですが、今回は砂糖と水、つまりシロップで煮るのでフルーツの風味がそのまま楽しめます。湯せんして作るので煮くずれの心配もありません。みかんは煮るとまた違うおいしさが楽しめますよ! 


材料(2~3人分)

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  • みかん…6個(約300g)
  • A
  • グラニュー糖…90g(みかんの総量の30%)
  • 水…150g(みかんの総量の50%)
  • レモン汁…5g

作り方

1. 鍋に湯せん用の湯(分量外)を沸かす。みかんはむいて、すじを取っておく。
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藤野さんポイント

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すじを取ると、見た目と食感がグンとよくなります。ここはちょっと手間ですが、終わればあとは煮て冷やすだけ! がんばってください。

2. みかんとAを耐熱の調理用ポリ袋に入れ、できるだけ空気を抜き、口をしっかりしばる。
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藤野さんポイント

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空気をしっかり抜くことで、みかん全体を水分がおおって、少量の水分でも加熱できます。レモン汁を入れるのは、フルーツと砂糖の甘みを際立たせるため。破れたときの用心に、2枚重ねにしておくと安全です。

3. 湯が沸騰しないように弱火にし、20分湯せんにかけたら、ポリ袋をやさしくゆすって、底のほうのグラニュー糖の溶け残りを溶かす。そしてさらに20分湯せんにかける。
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4. 冷水に取り、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。
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藤野さんポイント

煮たみかんは崩れやすいので、冷水に取るときはそっと入れてください!粗熱が取れたら、容器になどにそのまま入れて冷蔵庫で○分ほど冷やしてから食べてください。仕上げにタイムなどのハーブをのせてもきれいですよ。慣れてきたら、煮るときに好みのハーブを少々加えてもおいしいです。

※保存期間:冷蔵庫で2週間。フルーツを取り出す時には清潔なスプーンなどを使用する。

牛乳寒天

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シンプルだけど、とても作りやすいのが寒天スイーツ。寒天って液体を固めたいとき、とても使いやすい素材です。ポイントは粉寒天の量!多くても少なくても、食感が悪くなるので、きっちりはかりましょう。コーヒーソースは牛乳のまろやかさをグンと引き立てますよ。


材料(2~3人分)

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  • 牛乳…300g
  • 水…100g
  • グラニュー糖…30g
  • 粉寒天…2g
  • 固める容器…(450mL入るものならなんでもOK)
    ※撮影時は12cm×15cmで4.2㎝深さの流し缶を使用しました
  • コーヒーソース
  • インスタントコーヒー…2g
  • グラニュー糖…15g
  • お湯…15g

作り方

1. 水、グラニュー糖、寒天を鍋に入れて中火にかけ、沸いてきたらしっかりと全体を混ぜ、寒天を溶かす。溶かし切ったら、弱火にする。
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2. 牛乳は耐熱の容器に入れて600Wレンジに○秒かける。

藤野さんポイント

寒天に加える牛乳はレンジで人肌に温めておきます。ここは一手間ですが、寒天と一緒に沸かすと牛乳の風味がなくなってしまうんです。また、冷たい牛乳を入れてしまうとうまく固まらなくなります。

3. 温めた牛乳を1にまず半量入れて、よく混ぜる。残りを入れてまたよく混ぜる。
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4. もう一度、寒天の溶け残りがないか確認して、容器に入れる。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて、○時間ほど冷やす。
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藤野さんポイント

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型にする容器は、ぬらしておくと出すときに型離れがいいですよ!一度水を入れて捨て、ふかない状態で流し込みましょう。

5. コーヒーソースを作る。容器にインスタントコーヒーとグラニュー糖を入れて混ぜ合わせ、お湯を加えて全体をよく溶かす。
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※保存期間:冷蔵庫で3日間

サワークリームスコーン

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最後は小麦粉とオーブンを使いますが、ビギナーの方でも作りやすいスコーンのレシピです。サワークリームを入れることで、爽やかなうまみのある生地になります。焼きたての香りのよさは格別ですよ。ぜひ、試してほしいです。


材料(作りやすい分量/約6個)

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  • サワークリーム…90g
  • 牛乳…90g
  • 溶かしバター(無塩)…50g
  • A
  • 薄力粉…250g
  • ベーキングパウダー…7g
  • グラニュー糖…20g
  • 塩…1g

下準備

オーブンは170℃に予熱しておく。

作り方

1. サワークリームはボウルなどに入れ、泡立て器で混ぜて柔らかくする。牛乳を半量ずつ、2回に分けて入れて、混ぜ合わせる。
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藤野さんポイント

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このとき、サワークリームと牛乳の両方を冷蔵庫から出したばかりの冷たい状態で混ぜてください。そのほうがおいしく焼き上がります。

2. バターは耐熱容器に入れて、600Wレンジに1分かけて溶かし、1に入れて混ぜる。
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藤野さんポイント

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溶かしバターを1に入れて全体を混ぜると、バターが再度冷たくなって固まり、細かい粒状になります。この状態で生地と合わせていくのが理想的。

3. Aを振るい合わせ、2を加えて混ぜ合わせる。
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藤野さんポイント

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このとき、5本指を立てるようにして全体をしっかり混ぜ合わせていきます。粉気がなくなって、ひとかたまりになるまで混ぜましょう。

4. カードなどでボウルについた粉を集めて、生地をひとかたまりにしたら、10回ほど全体を折り込むようにしながら表面につやが出るまでこねる。
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5. 台に打ち粉(※少量の小麦粉をふること)をして、生地自体にも軽く打ち粉をして、上から3㎝程度の厚さに押し広げる。
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6. 直径6センチの丸の抜き型(セルクル)で抜く。
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藤野さんポイント

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抜き型がなければ、ペットボトルを輪切りにして使うのもいいですよ!余った生地は、抜いたところを外側にして丸めるように寄せ集めて焼くといいです。このとき、再度こねたり練ったりすると生地が詰まって食感が悪くなってしまいますので、注意してください。

7. 天板に乗せ、予熱した170度のオーブンで20〜23分焼く。
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※保存期間:乾燥しないように保存容器に入れて2~3日
スコーン生地は冷凍保存も可能。1個ずつすぐ焼ける状態にしたら、ラップで包んで保存袋に入れ、冷凍庫で2週間。解凍せずそのまま160℃で約26分焼く。

藤野さんコメント

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作って2日目以降のスコーンは、温めて食べた方がおいしいです。600wのレンジに20秒かけてから、オーブントースターで○分程度焼くと、焼きたてのようなおいしさになりますよ。焦げないよう、注意しながら焼いてくださいね。

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取材・文:白央篤司
撮影:豊田朋子