樋口直哉さんに教わる、最高においしいほうれん草の食べ方

特集・旬を味わう

2022.02.24

「旬の野菜を最高においしく食べるには?」というテーマを、料理研究家の樋口直哉さんに考えてもらうシリーズが始まりました。日頃、何気なく使っている食材を最高においしく食べるための調理ポイントや、扱い方のコツをじっくりと教わります。

今回の食材:ほうれん草 

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今回は寒い時期においしいほうれん草を食材として選びました。最高においしく食べるなら、おすすめの料理はバターソテー。シンプルで作りやすく、ほうれん草ならではの味わいをしっかりと楽しめます。

買うとき&保存のポイント

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パッケージがしっかりと密封されているものがおすすめ。わずかに酸素を通すように作られていて、保存に向いています。そのまま冷蔵庫に入れてください。

テープで軽く止めてあるようなものは取り出して、ぬれた新聞紙にくるんでからビニール袋に入れて口をしばり、冷蔵庫に入れてください。

そう、ほうれん草は野菜室ではなく冷蔵庫に入れるのも保存ポイント。野菜室の温度は大体10度前後、冷蔵庫より温度が高いのでほうれん草が成長してしまい、糖度が下がって味わいが落ちてしまうんです。

またよく「タテに置いて保存」と言われますが、ヨコでもタテでも差は出ませんので、どちらでもOKです。

下ごしらえのポイント

1. 根の一番下、硬いところを少し切り落とします。
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2.  根元の部分に十字に切り込みを入れます。切り込みを入れることで水が入りやすくなり、後で洗うときに土がしっかりと除かれやすくなります。
また、包丁は刃先でなく、根本の方で切りましょう。手元が安定して、切りやすいです。
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ほうれん草に親指を添えると、切り込みすぎず、ほどよい深さに切れます
3. ボウルに水を溜めて、ほうれん草を洗っていきましょう。洗い終わったら、ザルなどに上げていきます。全部洗ったら、ボウルの水を捨てます。これを2~3度繰り返します。

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  • ボウル内の水に砂が溜まっているので、ほうれん草を取り出してから水を捨てるのがポイント。
4.  洗い終わったら、葉と茎を分けていきましょう。茎を手に取って、スジを取るように葉脈を葉から取り除きます。中心部の小さな葉などはやる必要はありません。
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樋口さんポイント

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ほうれん草の葉と茎はそれぞれ別の野菜と思ってください。食感がまったく違うので、おいしく食べるための調理法も違ってくるんです!バターソテーは柔らかい葉の部分だけを使った方が断然おいしい。茎はよりじっくりと炒めた方がいいんです。

さあ、下ごしらえは以上です。バターソテーを作っていきましょう。

ほうれん草のバターソテー


材料

  • ほうれん草の葉…1パック(200gが目安)
  • バター…20g
  • 塩…小さじ1/4
  • にんにく…1片(皮をむいておく)
  • ごま…適量

作り方

1.  フライパンを中火にかけてバターを入れます。
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2. だんだんとバターが泡立ってきますが、その泡立ちがなくなったタイミングで、ほうれん草の葉の半量を入れて炒めます。
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樋口さんポイント

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バターが泡立つのが約130度、泡立ちがおさまるのが約140度なのですが、140度がほうれん草の葉の炒めどきです。

3. 全体がしんなりしたら、残りのほうれん草を入れて炒めます。
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4.  同様に全体がしんなりしてきたら火を止めます。フォークなどに刺したにんにくをフライパン内に入れ、全体をしっかりと混ぜるようにして香りづけをします。
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5. 塩とごまをふり、盛りつけます。塩をふると水気が出てくるので、手早く盛りつけましょう。
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樋口さんポイント

バターソテーしたほうれん草はソフトなテクスチャー。ここにごまを加えることで食感のアクセントになり、咀嚼感にもつながります。それが、ほうれん草を味わって食べることにつながっていくんです。
ごまの他にヘーゼルナッツやアーモンド、ピスタチオを砕いたものもよく合いますよ!

茎のおいしい調理法
にんにく風味で蒸し焼きに

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フライパンにごま油大さじ1/2、1片分のにんにくスライスを入れて中火にかけ、ほうれん草の茎を入れて炒めていきます。蓋をしてしばし蒸し焼きに。塩ひとつまみを加えて全体をざっくり和えると、おいしい茎炒めができますよ。

旬野菜の味わい方
ほうれん草の調理ポイントまとめ

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3月いっぱいはほうれん草のおいしい季節。ポイントは食感の違う茎と葉を分けること、そして加熱の温度を守ること。バターは熱して泡が出なくなったら、葉の炒めどきと覚えてください。

今回紹介したやり方は、手間はかかりますが、旬の時期に一度ぐらいはやってみて「ほうれん草っておいしいんだなあ……」と感じてみてほしいです!

樋口さんのおすすめ調理道具

小さじ1/4計量スプーン

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1~2人前のおかず作りでほどよい塩気を付けたいとき、2つまみ程度(=小さじ1/4)の塩をふることが多いのですが、指の感覚で塩を取るのが苦手な場合に活躍してくれますよ。あるとすごく便利です!


樋口さん、どうもありがとうございました。
また次回、樋口さん流の「最高においしい食べ方」を教えていただきます。今度は春野菜を使ったレシピを教わりますよ、どうぞお楽しみに。

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樋口直哉さん

1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。ロジカルで理知的なレシピ解説で人気を集める。作家としても活動、2005年のデビュー作『さよならアメリカ』は第48回群像新人文学賞を受賞。近著に『ぼくのおいしいは3でつくる 新しい献立の手引き』(辰巳出版)がある。
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取材・文:白央篤司
撮影:キッチンミノル

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