五平餅風おにぎり串

ボルサリーノ関好江の笑食同源おしゃべりごはん #6

2020.09.30

ボルサリーノ関好江の笑食同源おしゃべりごはん

芸人ボルサリーノ関好江さんに料理を作ってもらいながら、おいしさのポイントなどを伺う本連載。今回は、中部地方の山間部の郷土料理・五平餅を手軽に自宅で体験できるレシピ。いつもの白いごはんが、ほんのひと手間で変貌します。工程に、楽しい作業がたくさんあるのもポイント!キャンプやバーベキューに持っていくこともできますし、おうちでアウトドア気分を味わいたいときにもおすすめです。


材料(4本分)

img_borsaseki_006-01.jpg

  • ごはん…1合分
  • 片栗粉…大さじ1
  • さけるチーズ…1本
  • 五平餅のタレ
  • くるみ…50g
  • 白すりごま…大さじ1
  • しょうゆ…大さじ2
  • みりん…大さじ1と1/2
  • 酒…大さじ1
  • 砂糖…大さじ3
  • 赤味噌…小さじ1
  • 白ごま…少々
  • 太めの串(アイスの棒のような平たいもの、もしくは割り箸)…4本

作り方

1. 温かいごはんに片栗粉を混ぜ、すりこぎ棒などで半分潰す。
2. さけるチーズを半分にさき、串2本にさす。
3. ラップを広げて、1のごはん1/4量と2のチーズをのせ、包むように小判型に丸める。同じものをもう1本作る。
4. ラップを広げて、残りのごはんで小さいおにぎりを作り、串にさす。
5. 3と4を少し置いて表面を乾かす(20分くらい)。
6. くるみをビニール袋等に入れ、棒などでたたいて潰し、他の材料と混ぜて五平餅のタレを作る(すりばちですってもOK)。
7. グリルに3と4のおにぎり串を並べて焼き、焼き目がついたら五平餅のタレを塗って香ばしく焼き、白ごまをふる。

余ったごはんで作れる

甘じょっぱい味噌ダレがたっぷりと塗られた、中部地方の山間部の郷土料理・五平餅。2018年の朝ドラ『半分、青い。』に登場したことでも話題にのぼりました。愛知県出身の関さんにとっては、子どもの頃から親しんできたTHE・思い出の味。

「遠足で出かけた先やサービスエリアに必ず置いてあったんです。」

今回は、そんな五平餅を自宅で気軽に楽しめるレシピを紹介。

まずはごはんを温かくして、すりこぎ棒で潰していきます。使うごはんは、ふだん食べているもので全く問題なし。余りごはんでもOKです。

img_borsaseki_006-02.jpg

ポイントは片栗粉を混ぜること。

「片栗粉を入れると、もっちりしてまとまりやすくなるんです。ごはんの潰し加減はお好みで。ごはんのつぶつぶ感が残っていた方が良い場合には、粗めに潰してみてください。」

img_borsaseki_006-03.jpg

がしがしと綿棒を上下させ、勢いよく潰していく様子がなんとも楽しそう……!

さけるチーズを封じ込めるのがポイント

次に、用意しておいた割り箸や串などの棒を、潰したごはんで包み込んでいくのですが、その際に「さけるチーズを封じ込める」のが関さん流。

「韓国のハットグみたいな感じになればいいなと思って。」

img_borsaseki_006-04.jpg

ごはんを巻きつける前に、さけるチーズをぎゅっと棒にさしていきます。

「いけるかな。いけるかな…………わっ、チーズがまっぷたつにさけちゃった!」

img_borsaseki_006-05.jpg

さけるチーズを、さけないように串刺しにするのは難しいかもしれませんが、うまくささらなくても、チーズの周りをごはんで囲ってしまえば大丈夫です。

「チーズ、さけてませんよってことにできないかな……。あっ、いけた!」

img_borsaseki_006-06.jpg

「ごはんはラップを使って巻きつけると、手が汚れないし、しっかり巻き付けられます。ぎゅっと力強く握っちゃってください。」

img_borsaseki_006-07.jpg

チーズ入りの五平餅を2本作ったら、今度はおだんご型の五平餅を作っていきます。

「五平餅は大きくわけて、平べったいものとおだんごのようなもの、2種類の形があるんです。」

img_borsaseki_006-08.jpg

img_borsaseki_006-09.jpg

小さいおにぎりを握るようにして、おだんごを複数個作ったら串にさしていきます。

「おだんごは、食べたい量に合わせて、大きいやつを作ったり、小さいやつを作ったり。お子さん用に作るのであれば、年齢などに合わせて、サイズを調整してみてもよいと思います。」

img_borsaseki_006-10.jpg

完成したら、20分くらい置いておいて、かたちを馴染ませます。

くるみは「首から上に良い食材」

さて、待っている間に五平餅のタレを作っていきます。配合は下記の図のとおり。砂糖、わりとたっぷり使います。

「砂糖って、名古屋の味噌おでんを作るときにも、ぎょっとするくらい、ざっばざばに入れるんですよね。」

img_borsaseki_006-11.jpg

混ぜ合わせる前に、くるみをビニール袋などに入れて潰します。まな板などの固い台の上に置いて、ドンドンドンドン!と思いっきり叩き潰すのがポイント。

「くるみは『首から上に良い食材』といわれていて、記憶力UPのほか、中国の薬膳的には、黒くて美しい髪を作るのに良いとされています。」

img_borsaseki_006-12.jpg

「くるみのつぶつぶ感はお好みで。粗めに砕くのでも、しっかり叩いて細かめにするのでも。それから、すりばちで潰すのでも、フードプロセッサーで砕くのでもOKです。」

img_borsaseki_006-13.jpg

味噌は赤味噌を使用。

「八丁味噌だと苦味があるので、赤味噌を使うのがおすすめです。ちなみに、赤味噌は塩分高めでミネラルが豊富なので、特に暑い時期に摂取するとおいしく感じるし、体にも良いんです。」

img_borsaseki_006-14.jpg

なお、このタレ、余った場合には、他のものに付けてもおいしいです。関さんのおすすめは、パンに塗ること。

「パンと味噌はよく合うんです。」

焼く道具はなんでもOK

準備がそろったところで、おにぎり串を焼いていきます。焼く道具は、魚焼きグリルやオーブン、トースター、バーベキューコンロ、フライパン、七輪など、こんがりと焼き目がつくものならばなんでもOK。

img_borsaseki_006-15.jpg

今回は魚焼きグリルで焼いていきます。最初からタレを塗ってしまうと、すぐに焦げ付いてしまうため、まずはごはんだけを火にかけ、軽く焼き目がつくまで見守ります。

※なお、写真ではアルミホイルを敷いていますが、ごはんがくっつきやすいので、サラダ油を塗るか、網などにそのままのせて焼くのがおすすめ。オーブンなどで焼く際にはクッキングシートを敷いてみてください。

「棒が燃えてしまうかも……と心配な場合は、棒の部分にだけアルミホイルを巻いてみてください。」

img_borsaseki_006-16.jpg

ごはんに焼き目がついたらタレを塗り、さらに焼いていきます。タレは焦げ付き始めるとあっという間に黒くなってしまうので、焼いている間は目を離さず、じっくり見守るのがポイント。

img_borsaseki_006-17.jpg

こんがり焼き上がったら、ごまを散らして完成です。

ごはんだけど、ごはんじゃないみたい

ここからは関さんと一緒に実食。

img_borsaseki_006-18.jpg

ぱくっと勢いよく頬張ると……

img_borsaseki_006-19.jpg

ごはんだけど、ごはんじゃないみたい……!

チーズ入りの五平餅からは、みょーんと力強くチーズが伸び、まさにハットグのよう。くるみの風味もたまりません。赤味噌の味わいも、強すぎず弱すぎず、ちょうど良いバランス。

食べる手が止まりません。こんがり焼き色のついた甘味噌ダレって、なんでこんなに中毒性があるんだろう……。

そんな筆者の様子をみていた関さんから、「あっ、五平餅が吸い込まれた!」との発言が飛び出すくらい、凄まじい吸引力で食べ尽くしてしまいました。

「今日の五平餅のタレ、今までで一番うまくできたかもしれません。くるみも、今日は写真撮るから……って思っていつもよりも念入りに砕いたんです(笑)。丁寧って大事ですね。」と関さん。

img_borsaseki_006-20.jpg

ちなみにこの五平餅、冷めてもおいしいのですが、冷めるとチーズの質感がガラリと変わって、伸縮性はなくなるのですが歯応えが生まれます。こちらはこちらで、お米のもちもちとした食感とのコントラストが楽しめるのでおすすめ。

img_borsaseki_006-21.jpg

「冷凍して、キャンプやバーベキューに持っていくのもおすすめです。焼きマシュマロのような、お肉の合間に食べるデザートとして良いんじゃないかと思うんです。」

……と言いつつ、自分自身は「食べきれないかも!」とも話す関さん。

「前に仲間とバーベキューに行ったとき、張り切ってお肉をいっぱい買ったんですけど、枝豆とウインナーを食べたら、それだけでおなかいっぱいになっちゃって。お肉をお持ち帰りすることがあるんです(笑)。」

持っていく際にはぜひお腹とご相談を。作る工程も愉快で、自宅でもアウトドアでも、ちょっと特別な一品として楽しめる五平餅、ぜひ試してみてください。

ボルサリーノ関好江

1971年2月15日、愛知県生まれ。吉本興業所属。山田真佐美とのお笑いコンビ「ボルサリーノ」で活躍中。芸人仲間に振る舞う料理に注目が集まり、食べると運気が上がると評判に。著書に『食べると人生が変わる!開運飯』『使いきり!レシピ』(マガジンハウス刊)など。

ネッシーあやこ

1981年群馬県生まれ。ライター兼イラストレーター。主な執筆領域は、体験、 食レポ、食・働き方に関するインタビューなど。

この記事をシェアする

取材・文・イラスト:ネッシーあやこ
撮影:美坂広宣(SHAKTI)
フードスタイリング:松井あゆこ(Smile meal)