とうもろこしのスクランブルエッグ/とうもろこしと生姜のポタージュ/とうもろこしチャーハン

五感をひらくレシピ #17

2021.07.28

「五感をひらくレシピ」を、自炊料理家の山口祐加さんに教えてもらうこちらの連載。今回のテーマは、まさに今が旬の「とうもろこし」です。この季節だけのお楽しみ、生のとうもろこしを使ったレシピ三種ぜひ作ってみてくださいね!


夏本番の到来とともに、大好きな夏野菜のシーズンがやってきた。スーパーの売り場も彩り豊かになり、見ているだけで心が踊る。

この季節しか食べられない野菜の代表といえば、生のとうもろこし。コーン缶詰とはまた違う、生のとうもろこしにしかないジューシーな味わいはとびきりのおいしさ。茹でたてのとうもろこしにふうふう言いながらかぶりつくのは、今時期だけのお楽しみ。

とうもろこしごはん、とうもろこしのポタージュ、焼きとうもろこし…好きなとうもろこし料理は枚挙にいとまがないのだが、中でも最近ハマっているとうもろこし料理を今回は3品ご紹介したい。

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とうもろこしは鮮度が落ちやすい野菜なので、食べる本数だけ買ってすぐに料理する。選ぶときのポイントは、ひげの本数。ひげはとうもろこしの「めしべ」であり、粒一つ一つから伸びているので、ひげが多い=粒が多いことになる。選ぶときはひげがふさふさと多いものを選びたい。

皮を剥いてみると、みちっと詰まったとうもろこしがなんとも美しい。鼻を近づけてみると、とうもろこしの香りがふわっと感じられる。

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まずとうもろこしを買ってきたら、火を入れて丸ごとかじりたい。茹でる、レンチンするなどの選択肢もあるが、今回は先日中華街で購入したせいろで5分蒸してみた。蓋を外すと、色鮮やかになったとうもろこしがお目見え。よくよくみると粒ごとに色が浅かったり、濃かったりと、微妙に色が異なるのが発見だった。

丸ごと食べるとうもろこしは、塩さえもいらない。一粒一粒からジュースのように溢れるみずみずしさ。生にしかない濃密な甘い香り。まさに旬の味!しばし集中して、無言で食べ続けた。

とうもろこしのスクランブルエッグ

とうもろこしはできるだけ早めに食べたいので、最初にすべて下茹でしてしまうことが多い。一度火を入れたとうもろこしを、いろいろな料理に展開していくのだ(以下でご紹介する料理は下茹でしたものを使用)。

まずはさっとできる朝ごはんにぴったりな一品をご紹介したい。

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とうもろこしを芯から外してフライパンに入れ、オリーブオイルで軽く炒める。卵を溶いて塩をひとつまみ加えた卵液を流し込み、半熟で仕上げる。このままでもおいしいのだが、私のおすすめは焼いたパンの上に乗せる食べ方。食パンよりも、カンパーニュやバゲットなど食べ応えのあるパンと合わせると好相性。

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とうもろこしの粒感がアクセントになり、卵の甘さも相まって、ちょっとしたごちそうになる。5分もあればできてしまうので、ぜひお試しいただきたい。(ちなみに卵シリーズだと、とうもろこしのだし巻き卵やとうもろこし入り中華卵スープも絶品。この辺りは来年ご紹介したい。)

とうもろこしと生姜のポタージュ

レシピの試作でコーン缶詰が余ってしまった時にこのとうもろこし×生姜の組み合わせを思いつき、やってみたらとてもおいしかった。缶詰でも強い甘さが感じられておいしいが、今回は生のとうもろこしを使った作り方をご紹介する。

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作り方は、鍋にとうもろこし1本と芯の部分、水400mLを加えて中火で4分ほど火にかける。芯を取り出し、鶏ガラスープと塩を小さじ1/2加え、生姜をたっぷり加える。ブレンダーで攪拌してから、水溶き片栗粉でとろみをつけて完成だ。

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とうもろこしの甘味に生姜の辛味が加わることで、とうもろこしの味の輪郭がはっきりする。ブレンダーで潰さなくてもいいのだが、潰すことでよりとうもろこしの味をじかに感じられる。食感は「とうもろこしの葛湯」といった感じだろうか。

冷やしてもおいしく、さらさらとして食べやすいので、あまり食欲がない日のごはんにもぴったりだと思う。

とうもろこしチャーハン

最後にご紹介するのは、この五感をひらくレシピにしては材料の多い一品。けれど全ての食材に役割があり、とうもろこし、ピーマン、ハムを入れるからこそ出せるおいしさがあるのだ。

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とうもろこしは包丁の先端を使って芯の上から下にゆっくり沿わせるようにして粒を外す。この粒が外れていく感覚がなんとも気持ちがいい。

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ピーマンとハムも1cm角切りにし、とうもろこしとサイズを合わせる。黄色、ピンク、緑と彩りが良く、作りながら目を楽しませてくれる。

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フライパンに油を入れ、ピーマンとハムを炒める。そこへとうもろこしとごはんを加え、焼き付けるようにして炒める。最後に醤油をお好みで加えて、焦がし醤油味にする。お好みで黒こしょうを加えて完成。

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とうもろこしの甘み、ハムの旨味、こしょうとピーマンの苦味、すべてのバランスがよく。いつも食べ終わる頃に、もっと作ればよかったと思う。生のとうもろこしならではの、シャキシャキの歯触りがよく、夏らしい一品。友人の子どもに食べてもらったことがあるが「今日の夜ごはんの中で一番おいしかった」と褒めてもらえたので、子どもに喜んでもらえること間違いなし。汁気がないのでお弁当にも持っていきやすい。

夏が終わるまでにとうもろこしをたくさん食べて、今しかないデザートのようなジューシーさを味わいたい。今年もいろんなとうもろこし料理を試して、また来年みなさんにとっておきの食べ方をご紹介しようと思う。

山口祐加

自炊料理家、食のライター。共働きで多忙な母に代わって、7歳の頃から料理に親しむ。出版社、食のPR会社を経て2018年4月よりフリーランスに。日常の食を楽しく、心地よくするために普段は一汁一菜を作り、ハレの日は小さくて強い店を開拓する。料理初心者に向けた対面レッスン「自炊レッスン」や、セミナー、出張社食、執筆業、動画配信などを通し、自炊する人を増やすために幅広く活躍中。好物は味噌汁。

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