新玉ねぎドレッシング/新玉ねぎとおからのコロコロ揚げ/新玉ねぎと鶏肉の無水煮

五感をひらくレシピ #23

2022.03.07

「五感をひらくレシピ」を、自炊料理家の山口祐加さんに教えてもらうこちらの連載。今回のテーマは、この季節のお楽しみ、「新玉ねぎ」です。新玉ねぎの甘さをじっくり味わうレシピ三種、ぜひお楽しみください!


春が近づいてくると「新〇〇」と名前がついた野菜が出回る。そのどれもが柔らかくて、みずみずしくて、甘さをたっぷりたくわえているのが特徴。冬の寒さが残る日でも、そういった春を感じる野菜を食べると「もうすぐあたたかい季節がやってくる」とじんわり嬉しくなる。

今回の食材:新玉ねぎ

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中でもポピュラーな「新玉ねぎ」をスーパーで見つけると必ず買ってしまう。生で食べてよし、焼いても煮ても揚げてもおいしく、日々の献立を助けてくれる。今回は新玉ねぎを使ったレシピを三つご紹介したい。

新玉ねぎドレッシング

先日、料理家の根本きこさんが営むカフェ「波羅蜜(ぱらみつ)」(沖縄県)を訪れた際に食べたサラダがとてもおいしかった。きこさんに「何を入れたらこんなにおいしくなるのですか?」と聞いたところ、新玉ねぎを入れたとのこと。入れた調味料を教えてもらったので、許可を得てレシピにしてみた。

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材料は新玉ねぎ 1個のすりおろし、米油 大さじ2、酢 大さじ1、醤油 大さじ1/2、塩はお好みの加減。これらをボウルか瓶に入れて混ぜ合わせる。この時、すりおろした新玉ねぎの水分が入ると味がぼやけるので、軽く絞っておく。栄養たっぷりで捨てるのはもったいないので、スープに入れるなどして活用したい。

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あとはお好きな野菜にドレッシングを和えてサラダにするだけ。すりおろした新玉ねぎのほわほわとした舌触り、玉ねぎらしい鮮烈な香り、穏やかな甘さが相まって、普通のレタスサラダが特別な一皿になる。

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もう少し豪華に、塩もみ野菜や生ハムなどを入れると、お店のような豪華な一皿に。

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冷奴にかけてもおいしい。

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野菜や肉を焼いてソース代わりにこのドレッシングを入れると、新玉ねぎが加熱されてさらに甘みが増す。たっぷり作っておいて、サラダ以外にも応用するのがおすすめだ。

新玉ねぎとおからのコロコロ揚げ

ある日の夕方近く、近所の豆腐屋に寄って豆腐を買うと、賞味期限が今日までのおからをたくさんおまけしてくれた。

おからがたっぷりある時に作りたいのは、「コロコロ揚げ」と名付けている、じゃがいもの代わりにおからを使ったコロッケのような揚げ物。

おからが潰したじゃがいもの代わりになるの?と思われるかもしれないが、これが案外おいしい。おからが素朴な味なので、新玉ねぎの甘みが入るときっとおいしくなると思い、作ってみた。

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ボウルに、おから 150g、新玉ねぎ 1個(みじん切り)、ツナオイル缶一つ(オイルもすべて)、卵 1個、片栗粉 大さじ2、塩 小さじ1/2を加えてよく混ぜる。手で丸めた時にヒビが入らないくらいの柔らかさにまとめる。まとまりが弱ければ、少しずつお水を足して調整する。手のひらで一口サイズに丸めて、160度の油で3分ほどゆっくり揚げる。

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しゅわしゅわと音を立てながら揚がる様子はいつ見ても心躍る。

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コロコロとした見た目がかわいらしい、コロコロ揚げの完成。一口食べると、みっちりと詰まったおからから新玉ねぎが顔をのぞかせている。ほくほくとした食感で想像以上においしくできた。

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子どもにも喜ばれる、おやつにもぴったりな一品。おからがしっかりと入っている分お腹がいっぱいになりやすいので、食べすぎにはご注意を。

おからは安く手に入るし、冷めてもおいしく食べられるので、お弁当のおかずにもおすすめだ。

新玉ねぎと鶏肉の無水煮

新玉ねぎは瑞々しく、たっぷりと水分を含むのが特徴。ならば先日ご紹介したブリのおろし煮のように、野菜の水分だけで煮たらおいしいかも、とひらめいた。

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鶏もも肉 1枚は一口大に切って、重量の1%の塩分をふる(この時は250gだったので、塩2.5g)。

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新玉ねぎ 1.5個は繊維を断ち切るように薄くスライスする。

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ふたができる鍋に、新玉ねぎ→鶏肉→新玉ねぎの順番に重ねて入れ、鶏肉を新玉ねぎで挟む。

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あとはふたをして、弱火で13〜15分ほったらかしで煮るだけ。

途中で一度、ふたを開けて中を混ぜてみると、蒸気とともに、新玉ねぎの甘い香りがする。この香りを感じると、体が「あ、春がきた!」と反応する。

こういった鍋の中で料理が煮えていく時の香りは、料理途中にしか感じられない。料理のプロセスで食材が見せてくれる彩りや音、香りに気づくと、料理は一気に楽しくなるなと思う。

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鶏肉に火が通ったら塩で味を調えて、少しバターを加えて風味付けをする。溶けていくバターの艶やかなこと。

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仕上げにお好みでパセリを加える。なくても全然大丈夫。

水分は入れず、新玉ねぎだけしか入れていないのに、スープのような仕上がり。ぐずぐずに煮込まれた新玉ねぎ、ぷりんとした鶏肉、うまみたっぷりのスープを、スプーンで口に運ぶ。

ふくよかな香りと優しい甘さがたまらない。バターの香りがするからか、牛乳を入れていないのにシチューのようなコクも感じられる。ほったらかしでこんなにおいしい料理ができてしまうなんて、料理は本当に楽しい。

新玉ねぎと真正面に向き合って料理してみて、この野菜の魅力は甘さにあると感じた。ここまで甘さがぐっと引き立つ野菜もなかなかない。甘さに加えて水気があるので、ドレッシングや無水煮のようにソース代わりにも使える。

新玉ねぎを使った料理のバラエティは、これからもたくさん増えそう。ぜひ、気になる料理から試してみてほしい。

山口祐加

自炊料理家、食のライター。共働きで多忙な母に代わって、7歳の頃から料理に親しむ。出版社、食のPR会社を経て2018年4月よりフリーランスに。日常の食を楽しく、心地よくするために普段は一汁一菜を作り、ハレの日は小さくて強い店を開拓する。料理初心者に向けた対面レッスン「自炊レッスン」や、セミナー、出張社食、執筆業、動画配信などを通し、自炊する人を増やすために幅広く活躍中。好物は味噌汁。
Voicyにて「山口祐加の食べラジオ」を配信中。

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