「いつもと違うね」と言わせるお味噌汁

耳で楽しむおいしいスープレシピ 番外編 〜献立に悩む人のためのスープ講座〜

2020.06.15

スープ作家 有賀薫さんによる「耳で楽しむおいしいスープレシピ」、6月は番外編として、「献立に悩む人のためのスープ講座」をお送りします!


毎日のごはんづくり、がんばっているけど、自分の味にもう飽きた…!そんな風に感じている人は多いものです。何か目新しいレシピはないかと毎日ネットでレシピをさがすのも、キリがありませんよね。

バリエーションを作るには、さまざまな方法があります。今回は、定番の『キャベツと油揚げの味噌汁』で、食卓に変化を出すワザをお教えします! 

まずは基本。定番のキャベツと油揚げの味噌汁

基本からバリエーションを作っていくので、まずは基本となる『キャベツと油揚げの味噌汁』をご紹介しましょう。だしは、昆布かつお、煮干し、何でも大丈夫です。顆粒だしやだしパックでもいいですよ!

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材料(2人分)

  • キャベツの葉…2~3枚
  • 油揚げ…1/2枚
  • だし…500mL
  • みそ…大さじ2

作り方

1. キャベツは2センチほどの幅に、油揚げは1センチの幅に切ります。
2. 鍋にだしとキャベツを入れ、キャベツが柔らかくなるまで煮ます。
3. 油揚げを加えて味噌を溶き入れ、一煮立ちさせます。

1 切り方を変える!

ちょっと見た目が変わるとなぜか気分が変わります。まったく同じキャベツと油揚げの味噌汁を、分量を変えずに千切りで作ってみましょう。キャベツに合わせて、油揚げも千切りです。

切り方で、鍋に入れる順番が違ってきます。

基本の味噌汁は
だし→キャベツ→油揚げ→味噌

千切り味噌汁では
だし→油揚げ→味噌→キャベツ

千切りキャベツを最後に入れて、1分ほどで火を止めます。

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同じ味噌汁なのに、全然雰囲気が違いますね。キャベツのサクサクした食感も楽しいのです。 

2 味噌を変える!

キャベツを1個買って、外側から使っていくと、内側に白い部分が残ること、ありませんか?

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このぐらいキャベツが残ることってありますよね…

残り物と思えるのですが、やわらかくてクセもないこの部分が、実は味噌汁やスープには一番向いているんです! もちろん普通の味噌汁でもおいしいのですが、この部分で一度やっていただきたいのが、白味噌を使った味噌汁。

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白味噌のやさしく上品な味わいが、柔らかいキャベツの内側の葉と相性ばつぐん。青のりをふったり、柚子の皮を添えたりしてもおいしいですよ。

「白味噌は買っても使い切れなくて…」「家族があまり白味噌を好まない」という人もいると思います。そんな方にお勧めの使い方がこれ!

普段お使いの味噌の端っこに、白みそを少し置いておくのです。

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おたま1杯分ぐらいの白味噌を、味噌の容器の端っこに置いておく。

使うとき、いつもの味噌に、ほんの少し白味噌をブレンドしてみます。今日は優しい感じのお味噌汁にしたいな…と思ったら白味噌を多めに。キリっとした味にしたいときは、赤みそを多めにします。
二つの容器から出して使うのはめんどうでつい放置されがちですが、こうすると自然になくなっていきます。

味噌のような調味料には慣れもあります。少しずつ白味噌を増やして、家族の舌をならしていってはどうでしょう。

白味噌は、キャベツ、かぶ、里芋など、やわらかい味の素材にぴったりです。また、ミルクスープに加えて使ったり、和え物をするときにちょっと使ったりすると、大きく印象が変わってとっても便利な味噌なので、ぜひこんな風に使ってみてください。

3 だしを変える!

味噌と同時に、汁ものの印象を大きく変えるのは「だし」です。
いつもはどんなだしを使っていますか?顆粒だしや、だしパックを使っている人は、メーカーを変えるだけでも変わります。

また、昆布、かつおぶし、煮干しなどでとっている人も、いつも同じだしでやっている人が多いのではないでしょうか。

煮干しはそのまま具として食べられるので、味噌汁のだしとしてはとってもおすすめ。頭とはらわたをとってから割いて、水から煮出していきます。

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30分ぐらい漬けておくと、よりだしが出やすくなりますよ。

「子どもの頃はあまり好きじゃなかったけど、大人になったら好きになった」という声も多い、煮干しだし。お子さんが嫌がったら、煮干し自体は出してしまってもよいでしょう。

また、鶏肉や豚肉の切れ端をちょっとだけとっておいて、味噌汁にするのもおすすめ。「お肉のだし」ですね。

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豚バラ肉と手でちぎったキャベツで作る、キャベツ豚汁。シンプルだけれどおいしい!

市販の鶏ガラスープやコンソメも味噌汁のだしに使えるのですが、気をつけたいのは市販のスープには塩分が入っていること。その場合は味噌を少なめにしましょう。

4 油で炒める!

味噌汁は基本的にはノンオイルで作りますが、ときには油で炒めてもおいしいものです。

キャベツの外側の葉って、そのまま食べるとちょっと青臭いですよね。これをごま油で炒めて、味噌汁を作ってみます。

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黒ごまをちょっとふってアクセントに

キャベツの外葉はそのまま使ってもよいのですが、半日ぐらい室内で干すと水分と一緒に強いクセがやわらぎます。

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洗って、水分をふきとってから、ザルなどにおいて半日ぐらいおきましょう。

5 ひと手間加えてごちそう味噌汁!

ちょっと余裕がある日には、こんな変わり味噌汁はどうでしょう。レンジにかけた千切りキャベツを、開いた油揚げに詰めて、爪楊枝で止め、これを味噌汁に入れて煮ます。

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中に何が入っているかわからないわくわく感!

キャベツには下味をつけます。ごま油と塩をほんの少しふり、レンジに1分半ほどかけて、かさをへらしましょう。塩はあくまでも下味なので、ほんの少しだけです。

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巾着にすると野菜嫌いな子も食べたりするのが不思議ですね。にんじんの千切りなどを一緒に入れてもいいかもしれません。

ちょっとしたルールを覚えて、バリエーション!

さて、いかがでしたか?
私がふだん、スープのバリエーションを作るときには


  • 切り方を変える
  • 調味料を変える
  • だしを変える
  • 油を変える

この4つを大きな基本にして、目の前にある食材は変えず、どう変化をつけるかを考えています。バリエーションというと、すぐに材料の組み合わせに目が行ってしまいがちですが、まずできることでいろいろやってみると、面白いように変化が出せるようになります。

最後に、ひとつ。同じものばかり出すということを、あまり悪いことだと捉えないでほしいのです。マンネリこそが家庭料理の醍醐味。家族が慣れ親しんだ定番の味噌汁をまずはしっかりおいしく作ろう、そんな考え方だってあると思います。
家族に「また同じ?」と言われたら、「そう!これがうちの味だよ!」と胸を張ってください。

その上で、ときには遊び心を加えていけば日々の料理は楽しくなっていきますし、「うちの食卓にはちょっと合わなかったな」というときも、あまりネガティブな気持ちにならずにすみます。自由な発想を働かせるためにとても大切なことです。

新しいキャベツの味噌汁、ぜひ楽しみながら作ってみてください!

有賀 薫

スープ作家。1964年生まれ、東京出身。ライター業のかたわら、家族の朝食に作り始めたスープを8年以上毎日続けている。スープの実験イベント“スープ・ラボ“はじめ、スープをテーマにしたイベントを多数開催。著書に『365日のめざましスープ』『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』『朝10分でできる スープ弁当』。

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