トマトとたまごの中華風すいとんスープ (ゲスト:今井亮さん)
スープ作家 有賀薫さんの声でお届けする“聴くレシピ”。今回のアウトドア特別編は、開放感たっぷりのキャンプ場からお届けしています。前編では、料理家の今井亮さんに本格的な「麻婆豆腐」 の作り方を教えていただきましたが、後編では有賀さんが「トマトとたまごの中華風すいとんスープ(ガーダタン)」を作ります!ガーダタンとは、中国北部の郷土料理で、すいとんの入ったスープ。辛い麻婆豆腐の後に食べるのにちょうど良い、やさしい味です。アウトドア気分で、楽しみながら作ってみてくださいね!
トマトとたまごの中華風すいとんスープ(ガーダタン)
材料(3~4人分)
作り方
- 1. 鍋にお湯1200mLを沸かす。トマトを一口大に切って鍋へ。
- 2. 鍋に鶏ガラスープの素、塩を加えて煮る。
- 3. 小麦粉をボウルに入れて、水60〜70mLを少しずつ加え、小麦粉がホロホロになるように箸で混ぜる。
有賀さんポイント
最大のポイントは「混ぜすぎない」こと。混ぜすぎるとひとかたまりになってしまうので、ホロホロとしたフレーク状になればOKです。「ガーダ」とはダマのことで、あえてダマを作るイメージ。もし、混ぜすぎてひとかたまりになってしまったら、手でちぎって小さくして鍋に入れれば大丈夫です。
- 4. ボウルの中身(残った粉も含めて)をすべて鍋に入れて、中火で6〜7分煮る。
- 5. すいとんが浮いてきたら、塩とこしょうで味をととのえる。そこに溶いた卵を流し入れる。
- 6. お好みで刻んだ青ねぎを散らす。仕上げにごま油を回し入れて完成!
お待ちかねの試食タイム!
いただきます!あっ、香りもとろみも良いですね!
片栗粉のとろみとはちょっと違うんですよね。
小麦粉の方がやさしい感じがします。うーん!やさしさが染みる〜!辛い麻婆豆腐の後に食べる、このやさしいスープは最高です!うまみがたっぷりですね。
小麦粉のうまみも溶け出していますよね。
確かに、小麦粉が溶けて、うまみとコクになっていますね。あと、すいとんの形がいびつなのがおもしろいです。
いろんな形のガーダが口に入ってきて、楽しいですよね。大きいガーダはもちもち食感になります。このレシピ、アウトドアは もちろん、風邪をひいた時にも体が温まるのでおすすめです。キャンプ場は朝が寒かったりするので、朝ごはんにも良いと思います。
腹持ちが良いから、ずっとお腹が温かいままでいられますね。
そうですね。他の具材は何を入れても良いのですが、鶏肉の細切れやきのこを入れるとうまみが増します。トッピングには、パクチー・ねぎ・みょうがなどの薬味を自由に入れて作ってみてほしいです。
野菜炒めは“炒めない”!?
ところで、今井さんは料理で失敗したことがありますか?
もちろんありますよ。塩と砂糖を間違えたりとか(笑)。それ以来、サラサラの焼き塩を使って間違えないようにしています。
私は色のついた砂糖にしていますね。
失敗も込みで料理って楽しいですよね!
誰かと失敗を笑い飛ばせたら、振り返ってネタとして話せますよね(笑)。料理で失敗しがちな人でも挑戦しやすいメニューってありますか?
炒めものはどうでしょうか。お店のように多彩な材料を組み合わせるのは難しいので、お肉と野菜を一つずつ選んで、例えば豚肉とキャベツだけ。味付けも醤油と酒だけでOK。最初から調味料を合わせておけば、味付けが1回で済むので、味がぶれる心配もありません。
野菜炒めのコツをぜひ伺いたいです!今井さん、炒めものの本も出されていますよね。
本のタイトルの通り、「野菜炒めは炒めない!」それがコツです。
その心は!?
皆さん、なんとなく具材をかき混ぜるように炒めてしまうと思うのですが、それだとお肉になかなか焼き色が付かず、野菜もくたっとしてしまいます。豚肉もキャベツもサッと「焼く」イメージで火を入れます。また、調味料を冷たいまま入れてしまうと、お肉と野菜から水分が出て、水っぽくなってしまいます。調味料はフライパンに直接ジュワッと入れて、熱い調味料と熱い具材をサッと「和える」イメージ。食卓に出る頃にはちょうど良い火の通り具合になっているはずです。
なるほど、炒めずに「焼いて和える」イメージですね。
そういう心持ちで作ると、野菜炒めは2割、3割おいしくなります!
良いことを聞きました!今夜キャベツ炒めを作ってみようかな。
今日はアウトドア料理、いかがでしたか?
いやー、開放感たっぷりで楽しかったですね!大自然を感じながらのびのびと料理ができて最高でした!
アウトドア料理は、油はねやにおいを気にしなくていいのも、嬉しいポイントですよね。また、五感が研ぎ澄まされて、いろんなものを感じられる気がします。
アウトドア料理というと、どうしてもカレーに行きがちですが、ぜひこれから「アウトドア中華」を広めていきたいですね!
ぜひ広めていきましょう!今日はありがとうございました!