即席みそ汁/春キャベツとアスパラガスの豚汁/みょうがとオクラのみそ汁

五感をひらくレシピ #14

2021.04.28

「五感をひらくレシピ」を、自炊料理家の山口祐加さんに教えてもらうこちらの連載。今回のテーマは、「みそ汁」です。定番でありながら、だしや具などのお悩みも多いみそ汁。でも山口さんが、みそ汁のハードルをぐっと下げるポイントを教えてくれました。これなら毎日気負わず作ることができそうです!


新生活シーズンがはじまり、生活に変化があった人も多いのではないだろうか。私も最近、都内から1時間ほどの海が近い街へ引っ越し、新しい暮らしを始めた。海の近くは海鮮がおいしくて、魚介類中心の食卓になってきている。

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さて、今回は新生活のおともにぴったりな「みそ汁」について書いてみたい。ごはんとみそ汁は和食の原点のような食べ物。みそ汁を一口吸えばふわっとだしとみそが香り、はぁーと肩の力が抜けるような安心感をもたらしてくれる。ほぼ毎日食べているが、食べるごとにしみじみおいしいなぁと感じる。

けれどみそ汁について聞いてみると、「ちゃんとだしをとったほうがいいんだろうけど、顆粒だしを使ってしまう」「いつも同じ具になってしまって、味に飽きつつある」など、だしや具材などでお悩みの人が結構いるな、と思う。

なんとなく作っているみそ汁をたまに変化させてみると、スーッと食卓の風通しが良くなるのを感じられる。懐の深いみそ汁は、どんな気分にもフィットしてくれる、私たちの味方。今回は、底知れないみそ汁の魅力をお届けしたい。

おいしいみそ汁を作るためのポイントは3つある。

  1. だしはだし素材、だしパック、顆粒だしなどなんでも良い。だしは濃いとおいしい。
  2. だしは豚肉や野菜からも出る。みそを入れる前に味見しよう。
  3. だいたいの食材はみそ汁に合う。ちょっとの勇気を出して入れてみれば新しい味に出会える。

一つずつ解説し、それぞれにおすすめのみそ汁をご紹介してみたい。

注ぐだけでできる、即席みそ汁

だしはだし素材、だしパック、顆粒だしなどなんでも良い。だしは濃いとおいしい。

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こちらが私の家にあるだしをとるための材料たち。だしパック、煮干しとかつお節、顆粒だしがあり、必要なものを使い分けている。その時の気分もあるが、主にみそ汁に入れる食材に合わせて選ぶ。

例えば、肉・魚などのタンパク質を入れない時は、だしパックや顆粒だしなど旨味の濃いものを使う。贅沢したい!という気分の時は、だしを濃いめにすると満足感がアップする。

タンパク質を入れるときは、肉・魚の旨みがだしになってくれるので、他のだしは必要ない。もし最後に味見して旨みや香りが足りないと思ったら、かつお節を指先で潰しながら入れて、取り出さずに食卓に出す。細かくしているから、食べる時もさほど気にならず栄養価的にもばっちりだ。

煮干しはうどんのだしをとりたいときに使ったり、小腹が空いた時におやつに食べたりもしている。

昆布といえば、水出しの昆布だしを常備する人も多いはず。私の場合、昆布はある時とない時があり、常備ではない。この辺りのどんなだしを使うかは、人それぞれの暮らし方にもよるので、色々と試してみるのが良いと思う。

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かつお節、みそ、お湯を注ぐだけの拍子抜けするほど簡単なみそ汁。

目覚めの一杯、お昼のお供に一杯、夕食前に小腹が空いた時に一杯など、日頃からとてもお世話になっている。かつお節をそのまま食べるので、しっかりうまみも感じられ、満足度が高い。このみそ汁がない生活は、もう考えられない。

作り方

1. 150mLの湯を沸かす。
2. お椀にかつお節とみそ、お好みでねぎやわかめを入れ、熱湯を半分まで注ぎみそをとく。みそが溶けたら最後までお湯を加える。

春キャベツとアスパラガスの豚汁

だしは豚肉や野菜からも出る。みそを入れる前に味見しよう。

だしをとるのがめんどうだから、みそ汁は作らない。そう思っている人は、まず豚汁を作ってみてほしい。

豚バラ肉を使えば、だしがまったくいらないほど旨みが出る。肉の臭みもみそが消してくれるので気にならない。お肉が苦手という方はさつま揚げを切って入れると、とてもおいしい魚のだしが出る。

また、沸騰した湯に肉や野菜を入れて加熱したあと、すぐみそを入れるのではなく一度味見をすることをおすすめしたい。豚バラの旨み、野菜の甘味などが感じられて「これが食材の味か!」と驚くはずだ。だしをしっかりと感じられたら、みそは気持ち少なめに加減してみる。そうするとより素材のおいしさがダイレクトに感じられる。

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みそ汁の具材には旬の野菜を使うことが多い。春は緑がきれいで、香りも良い野菜が多い。菜の花、スナップエンドウ、絹さやあたりもおいしい。具材の量は多めがおすすめで、汁椀にいっぱいまで入れて良い。特に葉物野菜やきのこは火を入れるとカサが減るので、たっぷりと入れよう。

作り方

1. 鍋に300mLほどの湯を沸かし、豚バラを入れて白くなるまで火を入れる。この時、キッチンばさみを使うとまな板を一度洗わなくて済む。
2. 一口大に切った春キャベツとアスパラガスを加え、1分ほど軽く加熱したら火を止める。大さじ1〜1と1/2のみそを加減しながら加える。

みょうがとオクラのみそ汁

だいたいの食材はみそ汁に合う。ちょっとの勇気を出して入れてみれば新しい味に出会える。

みそ汁の具は、豆腐、ねぎ、わかめ、大根などが定番とされる。無論、定番は外さないおいしさがあるし、安心する。けれど毎回同じだと、たまには違うものも食べてみたい……と思うのが人の常。いつもと違う味を試してみるのは少し勇気がいるが、みそのふくよかな香りと旨味・甘味・酸味などが混じり合った複雑な味わいは、どんな食材も受け止めてくれる。

みその懐の深さを信じて、まずは一回作ってみてほしい。

ちょっと変わった具材でおすすめの組み合わせは…

  • トマトと卵
  • マッシュルームと卵
  • ブロッコリーとベーコン
  • みょうがとオクラ

など。今回はみょうがとオクラをご紹介する。

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オクラが入ることでとろみがつき、するすると舌に馴染むみそ汁。暑い日でも食べられるさっぱりとした味で、普段からよく作る。作るときのポイントはオクラの粘り気が出るとみそが溶きづらいので、 先にみそを溶くこと。

作り方

1. だし200mLを沸かす。オクラは5㎜幅、みょうがは3㎜幅に小口切りする。
2. だしが沸いたらみそ大さじ1を溶き、最後にオクラとみょうがを入れて、1分ほど加熱する。火が通ったら完成。

自炊をしていると必ずぶつかる「残り野菜をどう食べるか問題」を、あっという間に解決してくれるのがみそ汁だ。「だし=うまみのある汁」くらいざっくり捉えて、だしを取ることに縛られず、いろいろと試してみてほしい。がんばる日も、がんばらない日も、みそ汁は食卓にそっと寄り添ってくれる。

山口祐加

自炊料理家、食のライター。共働きで多忙な母に代わって、7歳の頃から料理に親しむ。出版社、食のPR会社を経て2018年4月よりフリーランスに。日常の食を楽しく、心地よくするために普段は一汁一菜を作り、ハレの日は小さくて強い店を開拓する。料理初心者に向けた対面レッスン「自炊レッスン」や、セミナー、出張社食、執筆業、動画配信などを通し、自炊する人を増やすために幅広く活躍中。好物は味噌汁。

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