カリッとした食感の韓国風お好み焼き「千切り野菜のジョン・チーズ仕立て」 メインビジュアル

カリッとした食感の韓国風お好み焼き「千切り野菜のジョン・チーズ仕立て」

枡田絵理奈の「聴くコラム」 #38

FAMILY
2023.08.14

元TBSアナウンサーで、現在は広島在住のフリーアナウンサー枡田絵理奈さんによる「聴くコラム」。毎回「食」や「暮らし」にまつわる様々なお話をしながら、枡田さんおすすめの「おうちごはん」を一品紹介してもらいます。

第38回のテーマは、枡田さんが進行役を担当した「コウケンテツさんトークショー」について。コウさんのお話や参加者のみなさんとの交流などについて、いろいろお話しています。またコラムの最後では、おうちで簡単に作ることができる「千切り野菜のジョン」の作り方も。簡単でおいしい!レシピとともに、コラムをお楽しみください。


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重い腰を上げてパーソナルジムへ

冷たいものが恋しい季節になりましたね。体が疲れやすい季節でもありますが、みなさん、いかがお過ごしですか?

暑さに負けて、私は最近だいぶ薄着なんですけども、ふと鏡を見て「あれ?去年の服が違うように見えるぞ」と…。服が縮んだかな?いやいや、そんなわけはない、これはそろそろダイエットをしなければ…!と、意を決してパーソナルトレーニングのジムに行くことにしました。

一回目の体験の時は一人だと不安だったので、親友が一緒に行ってくれたのですが、最初に「じゃあ、まずは体重を測りましょうか」と言われまして。「えー友達の前で?」と思いながら、恐る恐る体重計に乗ったら、見たことのない数字、妊娠中以外では叩き出したことのない数字で…すぐにそのカルテを裏返しにしちゃいました(笑)。

その後トレーナーさんに、「最近の食生活を教えてもらいたいんですけど、今日は朝ごはん何を食べましたか?」と聞かれて。「えっと、卵焼きの切れ端とポークビッツ一本とミートボール一個と、あと余ったごはんですかね…」と答えると、「それだけですか?」と(笑)。

主人がいる日は、試合前のアスリート向けにしっかりとした朝ごはんを作るんですけれども、子どもと私しかいない日は、子どものお弁当を作って、そのおかずを子どもたちの朝ごはんに分ける感じで。その中でさらに余ったものを、私が食べているんですよね。日頃からもうちょっと食生活に気をつけないといけないなあ、と反省しました。

その後もトレーニングジムは続けています。もちろん、まだ体重がどうこうという話ではないのですが、動いた後のすがすがしさがすごく気持ち良くて。体に良いことをしてるなとか、自分に時間を費やしているなと思えるので、しばらくは運動をがんばりつつ、そのごほうびとして、ちょっとだけ甘いものやおいしいものも食べたいなと思います。

コウケンテツさんのトークショーでの気づき

先日、東京で行われたコウケンテツさんのトークショー、会場にはたくさんのお客さんが来てくださいました。子連れやご夫婦の方がたくさんいらしたのも印象的でしたね。

トークショーの様子はYouTubeでも配信されています。ぜひ見てみてくださいね。本当に楽しくて、ヒントになることがたくさんあるトークショーでした。今日は、当日どんなお話をしたのか、みなさんに少しご紹介できたらと思います。

コウケンテツさんは三人のお子さんのお父さんでもいらっしゃるので、「子どもと料理をすること」についてのお話もたくさん伺いました。

みなさん「何歳から子どもに料理を始めさせたらいいんだろう?」ということが気になっていたようですが、コウさんいわく、料理のスタートは早ければ早いほどいいそうです。本物の調理器具と触れ合わせてあげるのが、お料理への第一歩だとお話されていました。

でも、けがや火傷は大丈夫?と、親としては気になってしまいますよね。コウさんのお話でなるほど、と思ったことがありました。

それは、「子どもは指先の火傷はしにくい」ということ。例えばフライパンで何かを炒める時、子どもは手先の方にすごく集中している。だから、フライパンの縁で腕を火傷するとか、炒める以外の作業の部分で火傷をすることの方が多いそうです。子どもが集中している時に、子どもの目から見えなくなっている部分を親が見てあげて、声がけしてあげると良いよ、と教えてくれました。

わが家も子どもたちがよく料理を手伝ってくれるんですけど、それを言われてから見てみると、確かに作業している手先は本人もしっかりと見ているんですよね。

だから、その周り、フライパンの縁や柄などに引っかかって怪我にならないかな?などを親がしっかりと見てあげながら、料理を一緒にできたらいいなと思いました。

子どもとの料理、優しく教える?それとも厳しく?

コウさんって、「失敗してもいいよ。その失敗もまた経験だよ」と言ってくれるような、ふんわりとした優しい方なんですが、以前子どもの料理教室で「厳しくしっかり指導をしてくださいね」と依頼をされたことがあったそうです。

その時は、コウさんも気を引き締めて、いつもより厳しめに教えたそうなんですが、そうすると子どもたちはいつもよりも料理に時間がかかってしまったそうなんです。やっぱり子どもは、楽しい!という気持ちで夢中で料理をした方がスムーズに進むんだな、と実感したそうです。

これは本当にそうだな、と私も思いました。わが家の日々に置き換えてみても、料理のお手伝いはもちろん、宿題とか、明日の準備とか、お風呂とかすべてのことに言えるなと思います。

「やりなさい」「早くしなさい」「もっとちゃんとやりなさい」って言ってる時こそ、すごく時間がかかったり、グダグダされてしまったり。反対に「すごいー!今日は楽しいね。なんか絶好調だね」って言いながら楽しんでやってると、あっという間にいろいろなことが終わるんですよね。

だから、何事も厳しさではなくて、楽しませてあげようという気持ちで子どもにさせてあげるのは、すごく大事なことなんだなと感じました。

あともう一つ、コウさんは「子どもが手伝ってくれた時には、ありがとう。すごく助かったよ。と言葉をかけてあげてください」とおっしゃっていました。誰かの役に立てたという達成感は、子どもにとって大きく成長できるきっかけになるので、とても大切だということでした。

正直、子どもに手伝ってもらうことで、さらに大変になることもあるんですが(笑)、女優並みに、「ありがとう。すっごく助かった!ママ、今日は疲れちゃって、もうがんばれないと思っていたんだけど、一緒にキッチンに立ってくれてすっごいうれしかったし、楽しかったし、助かった!」と、お礼をするようにしています。

そういう時の子どものうれしそうな顔というのは、なんだかこちらの疲れも吹き飛ぶものだなあと感じています。

料理がめんどうだな、と思う時の乗り切り方

今回のトークショーのメインテーマは、「料理のポジティブ変換」というものでした。

コウさんなんて寝ながらでも料理できそうだし、考えなくても手が勝手に動いちゃって、料理なんてまったく苦じゃないんじゃないかなと思ってたんですけども…実はコウさんでも、「毎日の料理」はめんどくさいと思っているということがわかりました(笑)。

コウさん自身、仕事でも趣味でもなく、家事として「毎日やらなければいけない料理」というのは、負担だったり、ストレスのたまる作業だったりする、とお話されていました。それを聞いて、「コウさんでもストレスに感じるんだったら、私がストレスに感じるのも当たり前だよね」と、すごく気が楽になりました。

また、コウさんは何でも手作りされているのかな?と思っていたんですが、今ではお惣菜売り場も利用しているそう。

昔は梅干し、らっきょう、キムチなどは手作りをしていて。でもある日、スーパーで、二人のお子さんを連れて撮影用の買い物をした後に、「自分の家のごはんの材料、買うの忘れてた!」と気づいて、「もうがんばれない…」と思ったそうです。

その時に初めて足を踏み入れたお惣菜売り場が、パラダイスだった!と。

私も、アスリートである主人のごはんを作ることは私の仕事だとも思っているので、なるべく手作りのものにしなきゃ、とか、手を抜いたらいけないという気持ちが強くて。

お惣菜売り場も基本は行かないようにしていたんですよね。たまに行く時も、誰かに見られてるんじゃないかなんて思ってしまって、「これはパパが食べるわけじゃないよ」っていうのを、周りに知ってもらいたいなんて考えて、ひとりごとのように「今日はこの卵のお寿司、すごく食べたい気分だから自分用に買おうかな」なんて言いながら、買ったりとかしてたんです。

でも、コウさんのお話を聞いて、そうか全然悪いことじゃないんだなって思えました。

「お惣菜を買わなかったら、お惣菜売り場の人たちの仕事なくなっちゃうでしょ」とコウさんがおっしゃっていて、「そうだ、そうだ!」と思いまして(笑)。

私自身も、なんというか、自分にとってネガティブな選択をしたと思った時に、その中にあるポジティブな理由を見つけ出して、「いいことをしたな」と思えるようになりたいな、と。それは料理だけじゃなくて、他にもいろんなところで意識したいなと感じました。

いつもの料理が特別に感じるコツ

コウさんは、「お料理を手抜きした時にこそ、ちょっとかっこいい料理名をつけたらすてきに見えるよ」とも教えてくれました。

「鶏のグリル、香味醤油仕立て」というコウさんのレシピ、実は鶏もも肉の皮側に切り込みを入れて、醤油大さじ1を塗り込んで、魚焼きグリルで焼くだけ、というものなんですね。

つまり、「鶏に醤油を塗って焼いただけ」っていう料理なんですけども、そこに”香味醤油仕立て”という言葉をつけると、それだけでごちそうのように聞こえるから、家族はありがたがって食べてくれるよ(笑)、と。そういうネーミングでのポジティブ変換もすごく大事ですよね。

私もトークショーの後、家に帰って早速そのレシピを試してみたんですよね。本当に簡単で、そして皮がパリッと焼けて、醤油の香ばしさがすごくおいしくて…「香味醤油仕立てだよ」ってドヤ顔で家族に言いました(笑)。

うちの子どもたち7歳5歳3歳児は、ちょっとポカンとしてたんですけども、主人は「おー!すごそうな料理だね」って反応してくれました。

こんな感じで、トークショーは本当に楽しかったです。もっと詳しい内容を知りたい方は、ぜひアイスムのYouTubeを覗いてみていただけたらなと思います。

スナック感覚で食べる。子どもが喜ぶ「千切り野菜のジョン・チーズ仕立て」

聴くコラムで毎回ご紹介している、わが家のおうちごはん。今回ご紹介するのは「千切り野菜のジョン・チーズ仕立て」です。私もコウさんに習って、”なんとか仕立て”とつけてみました(笑)。

コウさんのレシピ本やYouTubeを改めて拝見して、韓国料理の魅力にすごく惹かれているところなのですが、子どもって韓国料理をあまり食べることができないよね…と思っていたんです。

そこで韓国人の友達に「韓国で、子どもは何を食べるの?」と聞いたら、「ジョンがすごく好きだよ」って言われて。ジョンとは何ぞや?と調べたところ、”ピカタ”みたいな感じで、お野菜などを小麦粉や卵にくぐらせて焼くものだということでした。

でも、ジョンと言っても卵を使っていないものもあって、調べれば調べるほど、「いったい何をもってしてジョン?」という感じでもあるんですが、なんか響きもかっこいいし、なんとか仕立てとつけたらイケてるかな?ということで(笑)、今回はそんなレシピをご紹介します。


材料

  • じゃがいも
  • コーン
  • にんじん
  • 溶けるチーズ(スライスチーズでも)
  • 小麦粉
  • ごま油

作り方

1. じゃがいもは千切りにして水にさらし、コーンは身を削ぐ。にんじんは千切りにする。
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2. じゃがいもの水を切り、さらに水気をよくふきとってボウルに戻す。そのボウルにコーンとにんじん、チーズを加える。
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3. 2に小麦粉、水、塩を入れて混ぜる。
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4. フライパンにごま油を熱して、材料をすべて流しこみ、焼けてきたらフライ返しで押さえつけて、均等にうすく伸ばす。
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5. 焼けたらお皿などを使ってひっくり返し、裏側も同じように焼く。
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6. 両面が焼けたら完成!
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フライパンだけでジョンをひっくり返すのはけっこう難しいので、私は一度お皿にジョンを移して、そのお皿をひっくり返してもう一度フライパンに置く、というようにしています。

今回のジョンは、卵ありバージョンと卵なしバージョンで作ってみたら、卵なしの方がカリッとしているからか、子どもたちがすごく気に入ってくれて、争奪戦が起きました。なので、今回は卵なしバージョンにしてみました。

お菓子感覚で食べることができますので、みなさんもよかったらぜひ作ってみてくださいね。

さいごに

枡田絵理奈の聴くコラム、今回は「コウケンテツさんのトークショー」についてお話ししました。コウさんのお話、まだまだ聞き足りない!というのが私の正直な感想なので、またトークショーをしていただきたいなと思っています。

今回は編集部からの質問にお答えします。

だんだんと気温が上がり、夏バテが心配になる時期ですが、夏バテ対策におすすめの食べ物やレシピがあれば教えてください。

この時期、私はお茶漬けを食べることが多いです。スープを冷まして、冷たいお茶漬けを作っています。

揚げ物とか、お肉とか、あまり食べる気になれないという時に、ごはんの上にとんかつや、ささみのかつをのせて、そこに大葉、みょうが、かいわれ大根、しらがねぎなどの薬味をたっぷりと入れるんです。あれば、梅干しをたたいたものものせて、それをお茶漬けにします。

この一皿でしっかりとたんぱく質などの栄養をとることができます。私はもう作るのもめんどくさいので、「だし茶漬け えん」というお店の「だし茶漬屋の出汁」を常備していて、お茶漬けが食べたいなと思ったら、このだしを使っています。

なんでもかんでもお茶漬けにしちゃえば、わりと食べられるかも?と思ってはいるのですが、しっかりかまないと消化に悪いですし、胃に負担がかかるので、よくかんで召し上がっていただけたら、と思います。よかったら試してみてくださいね。

みなさんも、夏バテ対策におすすめの食べ物やレシピがあったらぜひ教えてください。

アイスムのページからは感想やリクエストをお送りいただけます。みなさんのお話や「これってどうしているの?」など、簡単なことでも大丈夫ですので、気軽に送ってくださるとうれしいです。もちろん、Voicyのコメント欄からでもOKです。お待ちしています。

それではまた次回お会いしましょう、枡田絵理奈でした!

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文・音声編集:佐々木沙枝
カバー写真:前康輔

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