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夏においしい韓国のスープをキム・ナレさんに教わろう

特別企画

FOOD
2025.07.08

夏向きの、韓国スープを作ってみませんか?あっさりして食べやすいスープ、滋養のつく健康的なスープなど、種類もいろいろ。体にやさしい味わいが人気の料理研究家、キム・ナレさんに教わります。

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教えてくれた人:キム・ナレさん

料理研究家。韓国、仁川出身。祖母や母から習った、体が喜ぶやさしい味わいを軸に、「ナレ流」のセンスを加えた料理が人気を呼んでいる。現在4歳児の子育て真っ最中、「手軽で作りやすいが本当に大事!」を実感する日々。最新刊に『一汁一飯 韓定食』(グラフィック社)がある。

なすの冷や汁

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材料(2人分)

  • なす…2本(250g程度) 
  • A
  • 昆布だし…500mL
  • 醤油…小さじ1(あれば薄口醬油で)
  • 塩…小さじ1
  • B
  • 醤油…小さじ1/2(あれば薄口醤油で)
  • 酢…小さじ1/2
  • 塩…少々

【下準備】

Aをボウルなどに入れてよく混ぜ、冷蔵庫で冷やしておく。
※作ってすぐ食べる場合は、うつわに氷を一緒にいれればよい
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作り方

1. なすはヘタを切り落とし、皮をむいて半分に切って、長めの乱切りにし、水に5分ほどひたしておく。
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2. 1のなすを7分ほど蒸し器で蒸す(レンジなら丸のままラップして600Wで2分加熱して、粗熱が取れたら長めの乱切りに)。
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3. 粗熱が取れたら水気を絞り、ボウルに入れてBを加えて軽く混ぜ、下味をつける。
4. うつわに1、4を入れる。お好みで青唐辛子を散らしても。
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ナレさんポイント

韓国では、なすはからだを冷やしてくれる食材と考えられており、暑いときによく食べています。ごくあっさりした味つけで、食欲のないときにぴったり。おいしく作るコツは、昆布だしを濃いめにとって、しっかりと冷やしておくこと。もしあれば、醤油は薄口がおすすめです。塩気が決まりやすくて色味もすっきり、香りもいいです。韓国ではこのなすのスープ、皮つきのままでも作りますが、今回は皮をむいて涼しげな色に仕上げました。

コングクス(豆乳の冷たい汁麺)

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材料(2人分)

  • A
  • 豆乳…540mL
  • 絹豆腐…1丁(240g)
  • きなこ…20g
  • 水…60mL
  • 塩…6g
  • そうめん…2束
  • きゅうり…適量

【下準備】

1. 豆腐は3等分ぐらいに切って、1分ほどゆでて、ざるにあげておく。
2. ミキサーにAを入れ、全体がなめらかになるまでかける。できた汁を冷蔵庫でしっかり冷やしておく。
※作ってすぐ食べる場合は、ミキサーに氷を一緒に入れてかけても良い。
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作り方

1. そうめんを好みの硬さにゆでて、水気をよく切る。
2. うつわにそうめん、冷やしておいた豆乳の汁をかけ、刻んだきゅうりを適量のせる。
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ナレさんポイント

韓国の夏の定番料理、コングクス。豆乳の冷たいスープで素麺をいただくものです。豆乳は独特のにおいが苦手な人もいるかもしれませんが、水で薄めてさっぱりさせ、きなこと豆腐を加えて豆の甘みも加わえることで、グンと飲みやすくなりますよ。大豆のうま味と塩味だけのシンプルさが、夏の疲れた体にいいんです。豆乳のスープは余ったら冷凍すれば、使いたいときにまた使えます。

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ナレ流かんたんサムゲタン

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材料(2人分)

  • 骨付き鶏もも肉…1本(400〜500g)
  • にんにく…1かけ
  • しょうが…1かけ
  • 長ねぎ(青い部分)…1本分
  • 長ねぎ(白い部分)…5~6㎝程度
  • もち米(または普通の米)…70g
  • 水…1L
  • 塩…適量
  • なつめ、くこの実、松の実…(あれば適量)

【下準備】

1. 鶏肉は塩小さじ1(分量外)をふって冷蔵庫に最低2時間ほどおく。
2. もち米を洗って 20分ほど水に浸け、ざるにあげておく。
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作り方

1. 鍋に鶏肉、にんにく、しょうが、なつめ、長ねぎ、水を入れて強火にかけ、沸騰したらアクをとりつつ弱火にし、ふたをして30分ほど煮る。
2. 30分経ったら、鶏肉、にんにく、なつめ、しょうがを取り出す。もち米を入れて弱火で15〜20分ほど煮る。
  • 10分ぐらいごとに中身を確認し、汁気が少なくなっていたら水少々を足して調整する。
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3. 鶏肉の粗熱が取れたら、食べやすい大きさに割いておく。にんにくとなつめは指で潰す。しょうが、青ねぎは取り除く。

ナレさんポイント

にんにくやなつめはつぶすことで食べやすくもなり、甘みも感じやすくなります。

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4. 鍋に3を戻し入れ、刻んだ長ねぎの白いところも入れて、ひと煮立ちさせ、うつわに盛る。
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ナレさんポイント

冷たいものを取り過ぎて胃が疲れたときなどは、体を温めるものを食べるのも大事ですね。韓国では鶏肉、もち米、そしてなつめは体を温めるとされています。骨付きの鶏肉からいいだしが出ますが、手に入り安い手羽先で代用してもいいですよ! 味つけはせず、食卓に塩と黒こしょうをおいて、自分好みに調味するのが韓国流です。野菜の醤油漬けやキムチなどを一緒に添えるのもおすすめ。しっかり食べて、暑い夏をうまく乗り切りましょう!

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今回添えられているのは、ナレさん特製菊芋の醤油づけ、山椒の葉の醤油漬け、青梅のコチュジャン漬け。

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取材・文:白央篤司
撮影:豊田朋子