意外とかんたん!作って楽しい「手打ちひっぱりうどん」

ボルサリーノ関好江の笑食同源おしゃべりごはん #32

2022.11.30

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芸人ボルサリーノ関好江さんに料理を作ってもらいながら、おいしさのポイントなどを伺う本連載。今回のメニューは粉からDIYして楽しむ「手打ちひっぱりうどん」!

うどん作りって時間がかかるのでは?と思っている人は多いかもしれません。たしかに生地を寝かせる時間は少しかかるけれど、工程自体はいたってシンプル。しかもなんだかとっても愉快な気持ちになれるのです。納豆とサバ缶をたっぷり使った山形県村山地方の郷土料理「ひっぱりうどん」とともにご紹介します。

手打ちひっぱりうどん


材料(作りやすい量)

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  • 中⼒粉…100g
  • 塩…5g
  • ⽔…⼤さじ3
  • 強⼒粉(打ち粉用)…適量
    →コーンスターチでもOK
  • サバ⽸…1⽸
  • 納⾖…2パック
  • めんつゆ(3倍濃縮)…⼤さじ1.5
  • ねぎ…適量
  • 七味唐⾟⼦…お好みで
※麺は茹でた状態で280〜300gになります。

作り方

1. 中⼒粉と塩をビニール袋に⼊れてふり混ぜ、⽔を⼊れてさらにふり、袋の上から軽く丸めて30分〜1時間おく。
2. 1を丈夫なビニール袋に⼊れ、⾜で踏む。30回ほど踏んだら4つに折り曲げ、また踏む。これを4〜5回繰り返す。
3. 丸めて1時間以上おく(冬場は3時間以上おく)。⼀晩おいても良い。
4. まな板などに打ち粉をまぶし、うどんの生地を麺棒で伸ばして3つにたたみ、細めに切る。
5. ⼤きめの鍋に湯を沸かし、4を⼊れて10分ほど茹でて冷⽔でしめる。
6. 器にサバ⽸と納⾖、刻んだねぎを盛り、めんつゆをかけて混ぜたものに5をつけていただく。

うどんはDIYできる

ところでみなさんはうどんを自分で手打ちしてみたこと、ありますでしょうか。筆者はまだ一度もありません。冷凍うどんという文明に頼りっぱなしの日々を過ごしてきました。

だけど、うどんは作れるもの。粉、水、塩、時間、パワー。主にその五つがあれば自分の手から生み出すことができるのだといいます。

「…でもはじめて作ったときは大失敗したんですよ」と関さん。

「ぶっちぶちでぼっそぼっそで、とてもじゃないけどみんなに食べさせられないようなしろものができてしまったんです(苦笑)。だけど、『時間はかかるけど工程自体は簡単』っていう話を聞いて。研究して作ってみたら、今度はちゃんとよくできたんです。以来イベントなどでも作るようになりました。」

今日はそんな関さんに、作り方をがっつり伝授してもらいます。

うどん作りに使うのは「中力粉」。含まれているグルテンやたんぱく質の量が薄力粉と強力粉の間くらいです。国内産の中力粉の多くはうどんのために作られているため、「うどん粉」と書かれたパッケージで売られていることもあります。

そんな中力粉をまずはビニール袋に塩と一緒に入れて…

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ビニール袋をにぎにぎしたり、ふりふりしたりしながら混ぜ合わせます。

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そこにお水を入れ…

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さらに混ぜ合わせていきます。

「袋を握ったり動かしたりしながら混ぜていると、だんだんそぼろっぽくまとまってくるんです。」

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「このあとの足で踏む工程でしっかり丸めていくから、今の時点ではなんとなくまとまっていればOKです。」

もしも、なかなかまとまらない様子だったら、お水を少し足してみるなどして調整してみてください。

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こんな感じ!

写真くらいにまとまったら、30分〜1時間ほどおいて生地をなじませます。

「そうそう。『在宅グルメ紀行』というYouTube配信で作る料理のために、いろんな地域の知り合いにご当地グルメの話を尋ねているんだけど、香川県の人たちは本当に自宅でも日常的にうどんを打っているって聞きました」と関さん。

ええっ、すごい!うどんを日常的にDIYする生活、ちょっと憧れます。

なんだか楽しい!「うどん踏み」

さて、少し寝かせておいたうどんの生地と再会したら、ここからは足でふみふみする作業。生地を袋に入れて足で軽快に踏んでいきます。

「袋は丈夫なものがおすすめ!1枚だと不安な場合は2枚以上重ねてもいいと思います。」

まずはかかとに体重をかけて、えいっと思いっきり踏んで…

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くるくると回りながら踏んでいると、生地が徐々に伸びていきます。

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30回くらい踏んで、ある程度伸びたところで、生地を四つ折りにたたみます。

たたみおわったらまた踏んで…

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これを4〜5回くらい繰り返すと、心なしかうどんの生地がつるっとした佇まいになっていきます。なんだか撫でたくなるフォルムでかわいいです。

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足で踏んだあとのうどんの生地。現場でも「かわいいね」ってたくさん言ってもらっていました

茹でると膨らむから細めに切る

さらに1時間ほどおいたら、いよいよ生地をのばして切っていく作業。大きめのまな板に打ち粉をたっぷりまぶします。

「打ち粉には、中力粉ではなくて強力粉を使います。生地に使ったものと同じ粉だと、生地が吸い込んじゃうんですよ。強力粉がない場合はコンスターチを使ってもいいんだけど、きっとコンスターチがあるご家庭は少ないですよね。

まな板は大きめのものがおすすめです。ない場合には、テーブルにしっかりとラップを張って、そこで作業をするのでも大丈夫ですよ。」

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生地を置いたら、麺棒に体重をしっかりかけて、ぐいぐい伸ばしていきます。

「麺棒は100円ショップにあるようなものでOK。うどんは茹でると膨らむので、生地は結構薄くなるまでしっかり伸ばします。」

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ある程度薄くなったら三つに折りたたんで…

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端からさくさくと刻みます。

「切る時もなるべく細めにします。本当に、茹でるとすごく膨らむんですよ!うどん。」

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途中、手元のうどんを眺めながら「おっと、太さにムラが出ています(笑)。いろんな食感があっておもしろいということにしましょう!」と実況解説をはじめた関さん。

刻み終わったらほぐして…

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沸かしたお湯に入れて10分ほど茹でます。

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茹で終わったら、冷たい水に入れてキュッとしめます。これは食感のための大切な作業。

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サバ缶、納豆、ねぎ、めんつゆをおわんに入れてうどんに添えたら完成です。

手打ちのうどんはつるつるしてる!

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さて、目の前につるつるした質感の手打ちうどんとつけ汁が揃いました。

「ひっぱりうどんのことは、この前の撮影でも少し話したんですが(こちらの記事参照)、一度ちゃんと紹介したかったんです。今日は入れていないけど、卵の黄身を入れることもあったり、ねぎの代わりに玉ねぎを入れることもあるんですよ。ちなみにねぎは普段はもっとたっぷり入れちゃっています。大好きなので(笑)。生姜やみょうがを入れてもおいしいですね。隙あらば入れたいみょうが。ふふっ。大好きなみょうが(笑)。」

関さんの薬味への思いを聞きながらさっそくいただきます。

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サバ缶をお箸でほぐして、納豆やねぎとしっかり混ぜ合わせてから…

わあ!これは。すごいつるつるだ…!

口やのどがめちゃくちゃ喜んでいます。手打ちうどんって、こんなにコシが強くてつるつるしているんですね。あまりのつるっと感に一口め、具材と合わせて食べるのに失敗して、うどんだけが胃の中に吸い込まれていきました。でも、それでも確かに感じるサバ缶のエキスと納豆のとろっと感の相性の良さ。声を大にして「間違いない!」って叫びたくなる組み合わせ。なのに山形県の一部の地域でしか食べられてこなかったのはいったいなぜなんだ…ひっぱりうどん。

サバ缶、納豆、ねぎ、めんつゆを常に家に常備しておいたら、人々の暮らしはより豊かになってしまうに違いない。あと中力粉も!

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「ちなみにもう一品、ずっと好きなうどんのメニューがあるんです」と関さん。

「おわんにねぎとかつおぶしを山ほど入れて、醤油をざっとまわしかけたところに、うどんを絡めて食べるんです。うどんは鍋で煮ているのをひゅっと取って入れる感じで。うどんをほぼ薬味を食べるための手段にしているんです。うちの母がすごく好きで、関家の土曜の昼の定番メニューでした。

ねぎをめいっぱい入れるのがポイントで、七味とかを入れてもおいしいです。最後、薬味がちょっと残ったおわんにうどんの茹で汁を入れて、ぐいっと飲み干すのもまたいいんですよ。実家を出たあともずっと食べていて、芸人になって間もないころにうちにみんながくると出していた料理でもあります。仲間うちでは『貧乏うどん』って呼ばれてました。味の評判はいいんだけど(笑)。」

えっ、そのうどんもぜひ食べてみたいです…。薬味もりもりのうどん!

ちなみに後日自宅でうどんを粉から作ってみたところ、普段の調理では使わない筋肉や脳の働きを駆使して作っている感じがして、達成感がものすごかったことをお知らせいたします。「これ、本当に私が作ったの…?」って、初めて自分で作った陶器のお茶碗を手に取ったときと同じくらい、信じがたい…っていう気持ちがあふれました。運動にもなるので、ラジオ体操のかわりに日常に取り入れてもよさそう。在宅ワークのリフレッシュにもなりそうです。

特別な包丁やまな板を揃えなくても作れるので、自分が打ったうどんを食べてみたい人はぜひ、近々挑戦してみてほしいです。

ボルサリーノ関好江

1971年2月15日、愛知県生まれ。吉本興業所属。山田真佐美とのお笑いコンビ「ボルサリーノ」で活躍中。芸人仲間に振る舞う料理に注目が集まり、食べると運気が上がると評判に。著書に『食べると人生が変わる!開運飯』『使いきり!レシピ』(マガジンハウス刊)など。

ネッシーあやこ

1981年群馬県生まれ。ライター兼イラストレーター。主な執筆領域は、体験、 食レポ、食・働き方に関するインタビューなど。

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取材・文:ネッシーあやこ
撮影:美坂広宣(SHAKTI)
フードスタイリング:松井あゆこ(Smile meal)

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