新じゃがいもと新玉ねぎのひき肉じゃが/カリカリにんにくとパセリのポテトサラダ

五感をひらくレシピ #25

2022.05.23

「五感をひらくレシピ」を、自炊料理家の山口祐加さんに教えてもらうこちらの連載。今回のテーマは、「新じゃがいも」です。この季節だけのお楽しみの「新じゃがいも」をじっくり味わうレシピ三種、ぜひ作ってみてくださいね。


3月に新玉ねぎを使ったレシピを紹介した。春の「新」がつく食材として新玉ねぎと同じように愛されているのが、新じゃがいもだ。

今回の食材:新じゃがいも

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みずみずしくて、柔らかく、さっぱりとした味が特徴的な新じゃがいも。春らしいフレッシュな風味があり、食べるたびにおいしいなぁ、と感動する。以前ご紹介したじゃがいもレシピで無類のじゃがいも好きと書いたが、もちろん新じゃがいもも大好物だ。今回は新じゃがいもの魅力を活かした三品をご紹介したい。

新じゃがいもと新玉ねぎのひき肉じゃが

みんな大好物の「肉じゃが」には、いろんな作り方がある。

先に具材を炒めてから煮る方法、最初から水や醤油と一緒に具材を煮る方法。じゃがいも、玉ねぎ、肉は欠かさず入っているが、にんじん、いんげん、しらたきなどを入れるかどうかは人によって異なる。

私が普段肉じゃがに使う食材は、じゃがいも、玉ねぎ、豚バラ肉の三つだけで、潔い感じが気に入っている。今回は豚バラ肉ではなくひき肉を使うことで、柔らかい野菜と弾力のある肉のメリハリをつける。

では作ってみよう。

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鍋に新玉ねぎ1個(1cm幅の半月切り)と豚ひき肉150gをほぐしながら入れる。この時、肉はすべてきれいにほぐさず、少し固まりを残しておくのがポイント。そうすることで食感にバラエティが生まれ、飽きずに食べられる。この状態で3〜4分中火で玉ねぎに軽く火が通るまで炒める。ひき肉から脂が出てくるので、油はひかなくてOK。

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そこへ新じゃがいも2個(一口大)と水200 mL、みりんと醤油を大さじ2ずつ入れる。じゃがいもや玉ねぎがだし汁から少し出ていても、春の食材は水分がしっかり出てくるので心配ご無用。

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ここまできたらもう8割完成。

あとは蓋をして、最初に中火で5分、その後弱火にして15〜20分煮ていく。

生だった野菜に火が通り、段々と淡く透明な色に変わっていく姿を眺めてみてほしい。鍋の中で、ゆっくりと、でも確実に表情を変えていく。

ちなみにアク取りは、お好みで大丈夫。火加減や具材の大きさ、鍋のサイズによって煮る時間が異なるので、5分に一度ほど確認しながら、あまり煮崩れないように仕上げたい。

普通の肉じゃがなら煮崩れも味のうちで歓迎なのだけれど、新じゃがいもを使うと水分が多く、加熱しすぎるとほろほろに崩れてしまうので注意。まあ、もしそうなったとしても、それはそれでおいしいかも!

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黄金コンビの醤油とみりん、甘味のある新じゃがいもと新玉ねぎ、パンチのある豚肉の旨味が渾然一体となった肉じゃがは、一口食べると頬がゆるむおいしさ。新鮮な食材を使って、少し手を加えてあとは火に任せて煮込むだけでこんなにもおいしいものができてしまうなんて。料理は本当に魔法としか思えない。

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この肉じゃがは旨味がたっぷり滲み出た煮汁が残るので、ごはんにかけて食べるのも良いけれど、私はこれを使ってカレーそばやうどんを作るのが好き。

煮汁にカレールーを少しずつ入れ、あとは茹でたそば、あるいはレンチンした冷凍うどんを入れていただく。すくいきれなかったひき肉もいいアクセントになる。最後までおいしく食べられる、二度おいしい肉じゃがなのだ。

カリカリにんにくとパセリのポテトサラダ

誰かの家で一緒に料理をするのが好きだ。いろんなキッチンにおじゃますると暮らしの工夫が感じられて、新しい調味料や食材に出会うこともある。何より、おしゃべりしながら料理するのが楽しい。

この料理は友達の家に遊びに行った時に教えてもらった。動物性の食材が一切入っていないのに満足感があるポテトサラダで、その日からお気に入りになって何度も作っている。

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新じゃがいもは1個分を食べやすいサイズに切って耐熱ボウルに入れ、一度ざっと水で濡らして表面のでんぷんを洗い流す。そのあと1cmくらい水をはって軽くラップをし、レンジで4〜5分加熱する。新じゃがいもは水分が多いのでレンジでも十分やわらかくなるしパサつかない。

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加熱している間にカリカリにんにくを用意する。

にんにく1かけをみじん切りにし、オリーブオイル大さじ1と一緒に小さな鍋かフライパンに入れて弱目の中火でじっくり加熱する。

にんにくの色が茶色に変わり始めたら手早く混ぜ合わせ、できるだけ均一になるようにカリカリにしていく。

この時の鼻の奥に入り込んでくるにんにくの香ばしいこと!集中してにんにくをカリカリ仕上げていく時間は、まるで自分がシェフになったかのような気分になる。

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全部がいい感じになる一歩手前くらいで引き上げると予熱で火が通り、理想通りの着地になることが多い。もし黒焦げになったものがあれば、苦いので箸で取り除いておこう。

レンジから取り出したじゃがいもを木べらなどで潰し、お好みの加減に潰す。もし固いものがあればそれだけ取り除いて、追加で数十秒加熱すると良い。

つぶしたところににんにくを合流させ、パセリのみじん切りも入れる。あとはオリーブオイル、レモン、塩を好みの具合に入れていく。私はレモンをぎゅっと効かせるのが好み。

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このポテトサラダは一口食べるとみな目を丸くする。

じゃがいものきめの細かい舌触り、カリカリにんにくの食感が良く、パセリの青い香りが噛むたびにふわっと香る。レモンが効いてさっぱりとした口当たりになるので無限に食べられる、といつも思う。

普段にんにくはチューブでもいい、パセリはなくてもOKなどすることが多いが、この料理は絶対このレシピで作ってほしい。きっとあなたの想像以上のところに連れて行ってくれる料理だ。

旬の食材を料理するたびに、春は桜を楽しみ、夏はひまわりから元気をもらうのと同じように、季節を慈しむ気持ちになる。新じゃがいものみずみずしさは、春にしか味わえない。また今年もこの食材に会えたことが嬉しくて、私は今日も料理をする。

山口祐加

自炊料理家、食のライター。共働きで多忙な母に代わって、7歳の頃から料理に親しむ。出版社、食のPR会社を経て2018年4月よりフリーランスに。日常の食を楽しく、心地よくするために普段は一汁一菜を作り、ハレの日は小さくて強い店を開拓する。料理初心者に向けた対面レッスン「自炊レッスン」や、セミナー、出張社食、執筆業、動画配信などを通し、自炊する人を増やすために幅広く活躍中。好物は味噌汁。
Voicyにて「山口祐加の食べラジオ」を配信中。

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