ニラ豚しゃぶ/レンチン ニラ卵とじ

五感をひらくレシピ #26

2022.06.08

「五感をひらくレシピ」を、自炊料理家の山口祐加さんに教えてもらうこちらの連載。今回のテーマは、「ニラ」です。薬味として香りを楽しんだり、加熱して食感を楽しんだり、いろいろな楽しみ方のできる食材。ぜひレシピを見て試してみてくださいね!


今回の食材:ニラ

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独特な香りとシャキシャキとした食感のニラは、その香りの特徴ゆえに、好き嫌いが分かれる食材。私は餃子の時くらいしか買わない食材で、餃子の具には1/3束ほどしか使わないため、残りの2/3の使い道に困っていた。

大好きな食材ばかり取り上げていても偏りがあるので、今回は「使い道に困ったニラと仲良くなる」をテーマに書いてみよう。

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ニラを選ぶときは色が濃く、先までピンと張った元気なものを選びたい。今まで冷蔵庫で保存すると乾燥してしなしなになってしまうことが多かったのだが、料理家のしらいのりこさんに「タッパーに水をはって、ニラを入れておくと長持ちするよ」と聞いてからその方法で保存するようになった。こうして3日に一回は水を換えると、一週間は余裕で持つ。以来、冷蔵庫でしなびたニラに会うことはなくなった。

一品目は私が「これならいくらでもニラが食べられる!」と思った料理を紹介したい。

ニラ豚しゃぶ

6月は梅雨のシーズン。湿度が高く、さっぱりとしたものを無性に食べたくなる。2年前のこの連載でも「薬味」を使った料理を紹介し、次のように書いている。

特に梅雨の時期にはさっぱりしたものが食べたい。さらに薬味には殺菌作用があり、食中毒予防に役立つ。じめじめとした季節にぴったりなのだ。

ニラはねぎと同じように、食材としても薬味としても活躍してくれる食材。刻んだニラを豚のしゃぶしゃぶにかけたらおいしそうだと思い、作ってみたらこれが大当たり!初めて作った日以来、二週に一回は食卓に登場する定番メニューになった。

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作り方は簡単。鍋に湯を沸かし、沸騰したら弱火に落とす。臭み消しのために酒を少し入れ、2〜3枚しゃぶしゃぶ肉を入れてほんのりピンク色が残るくらいで引き上げる。このとき、氷水で引き締めてしまうと肉が縮んで硬くなってしまうので、盛り付け皿に直接肉を乗せ、水で冷やさないのがポイント。すべて茹で終わったら、軽く水気を切る。

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次に大葉、みょうが、ニラを刻む。

薬味を刻んでいると、それぞれの個性豊かな香りが感じられて「早く食べたい!」と高揚感が高まる。薬味はニラだけよりも複数入っている方が香りが複雑でふくよかになり、ニラの個性がより引き立つような印象がある。

豚しゃぶの上にどっさり薬味をのせる。醤油 大さじ1、黒酢 大さじ1/2、はちみつ 小さじ1を混ぜ合わせてタレを作り、豚しゃぶにかける。なお通常の米酢や穀物酢でも良いが、その場合は酸っぱくなるため、少なめに加減する。

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一口食べると、醤油黒酢タレのさっぱりとした味と、柔らかい肉の間に絡んだ爽やかな薬味の香りが渾然一体となる。

かむごとに肉の旨味と薬味の香りが弾け、鼻からスーッといい香りが抜けていく。ニラがいい仕事をしている、感動的なおいしさの一皿。

ちなみにしゃぶしゃぶ肉がなければ、少し食感は硬くなるが切り落とし肉でも十分おいしい。ポン酢やごまだれなども合うはずだ。きっとこの夏何度も作るに違いない。

レンチン ニラ卵とじ

この料理に出会ったのは函館の地。以前旅行で訪れたときに、地元に住む友人が連れて行ってくれた立ち飲み屋で、「これがうまいんだよ」と頼んでくれたのが「ニラ卵とじ」というメニュー。

出てきたのは皿に具を入れてレンチンしたニラの卵とじ。ちょっとしょっぱいのが特徴で、お酒にも合うがきっとごはんにも合うと思った。今回は店の味を思い出しながらレシピを再現してみよう。

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深さのある皿にニラ1/3束を2cm幅にキッチンばさみで切って入れ、めんつゆ大さじ1、水50mlを入れる。600wのレンジで1分半加熱する。熱いので気をつけながら皿を取り出し、卵を一つニラの中に落とす。落とされた卵を見て、混ぜないでチンしてもおいしそうだなと思う。

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今回は店のメニューの再現をするので、混ぜ合わせてみる。もう一度レンジに皿を戻し、40秒〜50秒ほどお好みの加減に加熱する。

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ニラの緑と卵の黄色のコントラストがきれいで食欲をそそる。スプーンですくって食べるとシャキシャキのニラと、とろりとした卵の優しい食感が合わさり、間違いないおいしさ。

ごはんにのせて食べると、胃袋がググッと広がるような感覚になる。包丁、まな板、鍋を使わずに調理ができて、使う食材はニラと卵だけ。くたくたで帰ってきた日のおかずや副菜に困った日の一品として活躍してくれそうだ。

今回、ニラに注目して料理を作ってみて気づいたのは、生で食べると力強い香りが感じられ、加熱をすると香りは和らぎ、しゃくしゃくとした食感が料理のアクセントになること。その日の気分に合わせて、香りを楽しむのか、食感を楽しむのかを選べる食材なのだ。

これからは冷蔵庫に残っていても、順番を待つことなく食卓に上がりそうだ。

山口祐加

自炊料理家、食のライター。共働きで多忙な母に代わって、7歳の頃から料理に親しむ。出版社、食のPR会社を経て2018年4月よりフリーランスに。日常の食を楽しく、心地よくするために普段は一汁一菜を作り、ハレの日は小さくて強い店を開拓する。料理初心者に向けた対面レッスン「自炊レッスン」や、セミナー、出張社食、執筆業、動画配信などを通し、自炊する人を増やすために幅広く活躍中。好物は味噌汁。
Voicyにて「山口祐加の食べラジオ」を配信中。

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