長谷川あかりさんの「薬味たっぷり出汁カレー」を作る メインビジュアル

長谷川あかりさんの「薬味たっぷり出汁カレー」を作る

リュウジのレシピトレード #19 前編

PEOPLE
2026.04.19

料理研究家リュウジさんとゲストがお互いのレシピをトレードし、料理をしながら語り合う本連載。今回のゲストは「あかり、信じてるぞ」というフレーズがSNSで大流行した話題の料理研究家・長谷川あかりさんです。

長谷川さんのレシピは塩を基調としたシンプルな味付けで、「丁寧な暮らし」を想起させます。一方で意外な組み合わせから「本当にこの食材でいいの?」と心配になる方もいるようで、「あかり、信じてるぞ」というネットミームが生まれました。

今回はリュウジさんが長谷川さんのレシピ「薬味たっぷり出汁カレー」を作ります。正反対な二人がレシピを交換すると、どんな化学反応が起こるのでしょうか。リュウジさんのYouTubeチャンネルでは動画版を見ることができますよ!

薬味たっぷり出汁カレー

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材料(2人分)

  • 鶏むねひき肉…100g
  • 鳥ももひき肉…100g
  • 長ねぎ(白いところ)…2本分
  • A
  • 料理酒…50mL
  • 塩…ふたつまみ


  • カレー粉…大さじ1〜(お好みで量調節してください)

  • 昆布とかつおの合わせ出汁…300mL
  • めんつゆ…小さじ2〜
  • 塩(味を見ながら調節)
  • トッピング(トッピングで味が完成します!!重要!)
  • 薬味(小口ねぎ、みょうが、大葉、しょうが)
  • かつお節、ごま
  • しば漬け


  • ごはん…2膳分

作り⽅

1. 鶏ひき肉と粗みじん切りにした長ねぎを鍋に入れ、Aを入れてふたをし、5分ほど肉の色が変わるまで中火で酒蒸しにする。
2. カレー粉を加え、お肉をほぐしながら全体を馴染ませる。
3. 出汁を注ぎめんつゆを加え、5分ほど中火で煮込む。
4. 味見をし、塩で味を整える。
5. ごはんをよそった器にカレーを注ぎ、トッピングをのせて完成。

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SNSには「リュウジ風」じゃないレシピもあっていいと思った

リュウジ

僕はずっとあかりさんにお会いしたかったんですよ。昨年、あかりさんが「バター酒蒸しハンバーグ」でバズったじゃないですか。あれを僕のチャンネルでも作らせていただいて。めちゃくちゃおいしくて絶賛したら、あかりさんがXで反応してくれたんですよね。

長谷川

もう大反響でした。私のYouTubeチャンネルでも「バズレシピから来ました」っていうコメントをたくさんいただいて。本当にありがとうございます。

リュウジ

でも、実はあかりさんがハンバーグでバズる前から、「今注目している料理家さんは?」って聞かれたら「長谷川あかりさん」って答えていたんですよ。だから本当はもっと早く共演したかったんですけど、僕たちって料理界では「光と影」みたいな感じじゃないですか(笑)。僕はどちらかといえばジャンクなレシピが多いし、あかりさんはシンプルな味付けのレシピが多いので、あまりに正反対というか…。

長谷川

「私はあかり派なのに夫がリュウジ派で、食の好みが合わなくてケンカになった」みたいなコメントを見かけたこともあります(笑)。

リュウジ

わかるわ~!

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リュウジ

今日は「薬味たっぷり出汁カレー」を教えていただけるんですね。薬味たっぷりも出汁も、僕からは出ない発想。

長谷川

一時期、ツイッター(現X)に流れてくるレシピの多くが【バズレシピ】風になっていたような気がしていて…。そうじゃないレシピもあっていいんじゃないかなと思って、リュウジさんの逆を行くこのレシピを発表したんです。

リュウジ

初めてあかりさんのレシピを見たとき、自分とまったく方向性の違う方が出てきたことにすごくワクワクしました。バズを狙うとみんな似たようなレシピになっちゃうけど、あかりさんは違って、人の真似じゃなく自分の発想でレシピを作ってる。まさしく料理家だなって思います。

薬味を刻んでいると、「豊かな生活してるかも!」と思える

長谷川

主な具材は鶏ひき肉と長ねぎの二つだけ。あとは薬味をたっぷりトッピングするんです。私、薬味を刻むためにこのレシピを考えたんですよ。薬味を刻む生活って、どう考えても豊かじゃないですか。

リュウジ

たしかに!心や時間に余裕がないと、薬味を刻んでいられないですもんね。

長谷川

しんどいときって薬味を刻んでる場合じゃないんですけど、それでも刻んでいると、「あれ、私って豊かな生活してるかも?」って錯覚できるんです(笑)。

リュウジ

めちゃくちゃいいじゃないですか!

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長谷川

刻む薬味は、大葉・みょうが・しょうがです。小ねぎは刻んでもいいし、刻んであるのを買ってきてもいいし。あとは、旨味を補強する削り節とごま、ビジュアル担当のしば漬け。

リュウジ

しば漬けは福神漬け的なポジション?

長谷川

そうです、そうです。しば漬けの色が入ると、ビジュアルが圧倒的にかわいくなるんですよ。

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長谷川

あとは、なんらかの出汁。私は食塩無添加のだしパックを使っていますが、白だしでもいいし、かつお節をお水で煮てもいいし。白だしを使う場合は、お塩を少し減らしてください。

リュウジ

へぇ、出汁はなんでもいいんだ。

長谷川

そうなんです。このレシピのメインは、あくまで薬味を刻むことなので。

「作っていていい気分になる」ことを重視したレシピ

長谷川

まずは長ねぎをみじん切りにしてください。粗みじんで大丈夫です。

リュウジ

2本ってけっこう多いな。

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長谷川

リュウジさんが私のレシピを作っているの、私的には衝撃映像です!

リュウジ

たしかにね。僕のファンの人たちは「えっ、長谷川あかりさんってリュウジと共演OKなんだ!」ってびっくりしてると思いますよ。

長谷川

そんなそんな。私、レシピのテイスト的におっとりした人だと誤解されることが多いんですけど、実際はぜんぜんおっとりしていなくて。早口だし。

リュウジ

意外としゃべりますもんね。いや、話しやすくてありがたいわぁ。

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長谷川

次は薬味を刻んでください。

リュウジ

このレシピのメインですもんね。

長谷川

長ねぎも薬味も、「あえて刻むことの楽しさ」を感じてほしくて。料理って味ももちろん大切なんですけど、私は「作っていていい気分になる」ことを重視しているんです。

リュウジ

最高じゃないですか!じゃあ、ぶんぶんチョッパー使わずに包丁で刻んだほうがいいね。

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大葉、みょうが、しょうがを千切りにする

リュウジ

うわ、切ってるだけで薬味のいい香り。僕のレシピではあまりない香りだわ。

ひき肉はあえてほぐさないことで具材感が出る

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長谷川

深めのフライパンにひき肉と切った長ねぎを入れます。このとき、私はあえてひき肉をほぐさないんです。そうすると塊の状態で火が通るので、ごろっとした具材感が出るんですよ。

リュウジ

重要なポイントだ。こういう僕にない発想に触れるとテンション上がっちゃうな。

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料理酒50mLと塩ふたつまみを入れる

長谷川

塩は、レシピにはふたつまみって書いたんですけど、今日は塩分無添加の清酒を使っているので少し多めの小さじ半分くらいを入れましょう。で、入れたらふたをします。

リュウジ

ふたをする!いいね、ここでふたをするレシピはめったにないですよ。

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ふたをして、中火で5分ほど酒蒸しにする

リュウジ

酒蒸しにするんですね。酒とひき肉から旨味が出るんだな。

長谷川

昔からあさりの酒蒸しが大好きで。酒蒸しにするとなんでも勝手においしくなるんで、酒蒸しレシピが多いんです。

この状態だとまだ完成形の想像がつかない。「あかり、信じてるぞ」

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リュウジ

そろそろ5分経ったからふたを開けますね。あ、けっこう水分出てますね。

長谷川

具材から、入れたお酒以上の水分が出るんですよね。

リュウジ

今の状態だとどんな料理になるのか想像がつかない(笑)。本当にカレーになるのかな。この状態が俗に言う「あかり、信じてるぞ」なんですね。

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カレー粉を加え、お肉をほぐしながら全体を馴染ませる

長谷川

カレー粉はお好みで量を調節してください。辛いのが好きな方は大さじ1くらい。あまり味を強くしたくない方は小さじ2くらいです。で、ちょっとなじませます。

リュウジ

じゃあ今回は小さじ2でやってみよう。

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出汁を注ぎめんつゆを加え、5分ほど中火で煮込む。

長谷川

ここで出汁を加えます。だしパックを破って中身を入れちゃってもOKです。私は食塩無添加の出汁パックを使っているんですけど、食塩が入っている出汁パックを使う場合は、お塩を入れずに作ってください。

リュウジ

ここで、めんつゆも入れるんだ。

長谷川

味見してみて、めんつゆは要らないと思ったら入れなくても大丈夫です。これ、かなり初期のレシピなので、今の私だったらめんつゆ使わないかも。当時は「薬味にはめんつゆだよな」みたいな気持ちがあって。

リュウジ

わかる。僕も初期のレシピを見ると、「今の僕だったらこれ入れないな」って思うことがいっぱいあります。

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味見をし、塩で味を整える

リュウジ

5分くらい煮詰めてもこのくらいの薄まり加減なのね。

長谷川

この段階でちょっと味見して、お塩で調整してください。ごはんにかけて食べるので、「少しだけ濃いかな」くらいでちょうどいいかも。

リュウジ

じゃあ味見しますね。…うわ、めっちゃおいしい!

長谷川

よかった~!「リュウジさんのお口に合わなかったらどうしよう」って心配で、今日まで眠れない日々を過ごしてきました(笑)。

盛り付けはお皿の中央に可愛く。ポイントは柴漬け

長谷川

カレーができたので、あとは盛り付けです。お皿の真ん中にごはんを盛ってください。

リュウジ

ごはんとルーを半分ずつ盛るんじゃなくて、ごはんを真ん中に盛るんですね。

長谷川

このカレーはごはんもルーも中央に盛って、その上にたっぷりの薬味を盛るとかわいいんです!

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リュウジ

薬味はどんな感じにのせます?

長谷川

インドのミールスみたいな感じで、大葉、みょうが、しょうがとエリアを分けて盛り付けるときれいです。で、しば漬けをのせると色味が一気にかわいくなるんですよ。

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リュウジ

うわ、「あかりさんの料理」って感じがする!たしかにしば漬けの色味がかわいい。

長谷川

薬味をのせたら、仕上げにかつお節とごまをかけます。もうちょっと塩味がほしい方は、塩昆布をトッピングしてもおいしいです。トッピングはけっこうなんでも合うので、皆さんにお任せしていて、納豆や天かすをトッピングしたというコメントも見ました!

リュウジ

最初はレシピ通りに作ってみて、次からは自由にアレンジするのがいいかもね。

長谷川

本当にアレンジ自在なので!最近はわさびとか添えてます。

リュウジ

カレーにわさび!?おもしろすぎるでしょ!

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かつお節とごまをかけ、皿のふちにチューブのわさびを絞って完成!

リュウジ

長谷川あかりさんに教わる「薬味たっぷり出汁カレー」の完成です!これだけ薬味がのると味の想像がつかないな。まさに「あかり信じてるぞ」だわ。

3D的にじわじわとおいしさが広がっていく

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リュウジ長谷川

いただきます!

リュウジ

…あぁ、おいしい…!これは僕の味じゃないわ。とっても味に奥行きがありますね。味が強いわけじゃないのに、香りでグイグイ食べ進めちゃう。

長谷川

リュウジさんのお料理が好きな方にとっては、少し物足りないかもしれないんですけど…。

リュウジ

いや、ぜんぜんそんなことないですよ。もし物足りなかったら、塩昆布をトッピングしたらおいしいと思う。これね、最初の一口でガツンと来るおいしさじゃなくて、食べてるうちにじわじわ広がってくるおいしさ。最後の一さじまで飽きないし、食べている間ずーっとおいしい感じ。

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リュウジ

わさびが信じられないくらい合う。カレーにわさびがこんなに合うなんてびっくり。塩味じゃない世界にトリップできるというか、謎の満足感が表現されていますね。

長谷川

私、味って2Dと3Dがあると思っていて。2Dの料理は一発でグッと来る味なんですけど、これは3D系だからぐるぐる回る味。

リュウジ

IMAX的な。もはや4DXかもしれない。

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塩昆布で味変するリュウジさん

リュウジ

念のため塩昆布バージョンも食べておこう。あ、塩昆布をかけると旨味と塩味がかなり足されるんで、強い味が好きな人にはいいかも。

長谷川

もしご家族の中にあかり派とリュウジ派がいたら、この薬味たっぷり出汁カレーを作って、各々が好みで塩昆布を足す…という折衷案もあります。

リュウジ

塩昆布バージョンもおいしいけど、僕はわさびを推したい。そのくらい衝撃的だった。味に幅が出て、段階的に香りが追って来るんです。1口目より3口目のほうがおいしいし、どんどんおいしさが深まっていく感じ。

長谷川

お口に合ってよかった~!

リュウジ

しかも、カレーなのにまったく胃に負担がかからないですね。お茶漬けみたいなスープみたいな、さらっとした感じがめっちゃヘルシー。

長谷川

ノンオイルだし、小麦粉も不使用なので。

リュウジ

いかに油を使わずに満足感を出すかって、昨今の料理研究家にとっての課題ですよね。

長谷川

そうですね。このレシピは薬味の香りによって満足感を感じていただけたら。柚子とかも入れたらおいしいかも!

「ビビっちゃって、レシピトレードの話を断ろうかとも思った」

長谷川

この「薬味たっぷり出汁カレー」は、私が初めてバズったレシピなんです。このレシピがきっかけで、レシピ本を出せることになりました。

リュウジ

そもそも、あかりさんはどういうきっかけで料理研究家になったんですか?

長谷川

最初は管理栄養士の資格を取って、アイスムでもお馴染みのスープ作家 有賀薫先生のアシスタントをしていました。アシスタントをやりつつ、SNSでも自分のレシピを発信していたんです。

リュウジ

そうなんだ!たしかに、あかりさんのレシピってちょっと有賀さんっぽさあるかも。

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長谷川

私、今回のレシピトレードのお話をいただいたとき、かなりビビっちゃって。怖すぎて断ろうかとも考えたんですけど、受けてよかったです(笑)。

リュウジ

いや、そんなビビらなくても。めっちゃおいしいっすよ。たしかに、僕とは方向性が真逆ですけど。

長谷川

でも、最近のリュウジさんのレシピって、どんどんそぎ落とされてシンプルになってきていますよね。だから「私のやってきたことは間違いじゃなかったのかも」って勝手に勇気をもらっています。

リュウジ

そう、最近はうまみ調味料を使わない料理もけっこうやってるんですよ。あかりさんはうまみ調味料を使わないタイプですよね。どこかでその理由について「そのほうがかっこいいから」と答えているのを見て、「めっちゃいいな」と思いました。

長谷川

うまみ調味料を使わずにおいしくできると、なんか自分が料理上手になったみたいで気分がいいんですよ。私、料理において「気分がいい」ことを重視しているんです。

リュウジ

薬味を刻むことに対しても「豊かな暮らししている感じになれるから」って言ってましたもんね。そこ、主張が一貫してますよね。

お互いに、料理研究家の考察が大好き!

長谷川

私、料理研究家の方のレシピや発信を見るのが大好きなんですけど、リュウジさんのコピーライティング力が本当にすごいと思っていて。リュウジさんの「落ち葉にかけてもうまいドレッシング」っていう言葉が好きすぎて、絶対に勝てないなと思いました。

リュウジ

僕は資格も経歴もないから、言葉で目立たないと注目されなくて。でも、料理研究家がみんなSNSで強い言葉を使うようになってきて、正直もうお腹いっぱいなんですよね。だからあかりさんみたいに、強い言葉を使わなくても料理の本質的なところでバズる人が出てきて嬉しいです。

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長谷川

少し前までは、家庭の料理は女性の役割という考え方が強かったと思うんです。だけどリュウジさんの発信をきっかけに、今まで料理に興味のなかった男性も料理を始めてる。それってすごい革命ですよね。

リュウジ

最初の頃、女性フォロワーから「夫が料理にリアクションしてくれない」っていう相談をよくいただいて。どうしたら男性も料理に対して当事者意識を持つのかを考えましたね。

長谷川

料理って本来は、全員が当事者になれるんですよね。

リュウジ

そう。だから僕は料理の間口を広げたくて。僕は、みんなが僕のレシピを作る必要はないと思っているんです。僕の料理が合う人もいれば、他の料理家さんのレシピが合う人もいる。同じ人だって、その日の気分で、僕のレシピとあかりさんのレシピを使い分けでもいいんですよ。そうやって自由に料理に触れてほしいなと思っています。

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リュウジ

なんか「リュウジといえばジャンクな料理」ってイメージが定着しちゃってるけど、僕は別に、ジャンクにこだわってないんですよ。僕も今年40歳なんでね、ちょっとは健康に気を遣うようになったし。ファンの皆さんも僕と一緒に歳を取っていくんで、ヘルシーなレシピや減塩料理にも手を広げています。

長谷川

イメージ問題、ありますよね。私も別に、突飛な食材の組み合わせにこだわっているわけじゃないんですけど、たまたまそういうレシピが立て続けに話題になったので、「変な料理を作るやつ」だと思われています(笑)。

リュウジ

あかりさんのレシピは「これとこれを組み合わせたらこんな味になるんだ!」みたいな意外性がありますよね。ちくわとじゃがいもとバターでなぜかたらこの味になるみたいな。

長谷川

すごい見てくださってる(笑)。

リュウジ

僕ね、自分以外の料理研究家さんのレシピを考察するのが大好きなんですよ。友人で料理研究家の大西哲也と、何時間でも考察してます。

長谷川

私も高校生のときにいろいろな雑誌を見ていて、「この料理いいな」って思うレシピがだいたい同じ料理家さんのものだったんです。それで、その料理家さんの経歴とか人生について調べて、「この人はこういう意図でこういうレシピを作ってるんだ~」って考察するようになりました。レシピって流派とか考え方が表れますよね。

リュウジ

そうそう、レシピって生き方が出る。一つのレシピだけ見てもわからないけど、同じ人のレシピを五つくらい集めると考え方が見えてくる。

長谷川

YouTubeで、料理家考察回とかやらないんですか?

リュウジ

考察の対象をどうするかですよね。たとえばあかりさんくらいネームバリューがある方だったら、視聴者も考察を見て楽しめると思うけど、シリーズ化するのは難しそう…。

長谷川

じゃあ、リュウジさんに影響を受けている若手の料理研究家さんをコンサルするとか!一人ひとり哲学とか人生があるのに、「バズること」にとらわれてしまっている方もいると思うんですよ。そういう発信者の個性をリュウジさんが育てる回があったら見たいです!

リュウジ

いや、僕が育てて大丈夫なのかな(笑)。

長谷川

勝手にいろいろ考えちゃいました(笑)。

リュウジ

僕は「この料理家さんがすごい!」みたいなテーマで、何人かで『アメトーーク!』みたいなことをやりたいかも。今キテる料理家さんを発掘したい。あかりさん、ぜひ情報交換しましょう!

長谷川

ぜひ!

後編に続く

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取材・文:吉玉サキ
撮影:村上未知